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もはや異色のコラボではない~共通項はマーケティング
SFAもCMSも両方とも知っている人は、SFAとCMSの連携は異色のコラボに感じるかもしれません。なぜならSFAは営業担当者が使うツールであり、CMSはWebサイト担当者やEC担当者が使うツールだからです。
多くの企業はSFAとCMSを別々に導入します。また、営業担当者はCMSに関わることがなく、Webサイト担当者やEC担当者はSFAに関わらない、といったことも珍しくありません。
しかしSFAもCMSも性能が向上してできることが増えたことで、両者の領域が重なる部分が現れてきました。現代のSFAと現代のCMSには、マーケティングをサポートするという共通項があります。そこでSFAとCMSを連携させると相乗効果が生まれるようになったわけです。
SFAとCMSに備わっているマーケティングに貢献できる機能
SFAができることは、顧客情報管理、営業プロセスの自動化、営業予測、セールスレポートの作成、カスタマーサポートなどです。
CMSができることは、Webサイトのコンテンツ管理、ユーザー管理、Webマーケティング、Webサイトでのキャンペーンなどです。
これらにはマーケティングに貢献できる要素が含まれています。例えばSFAが保有する顧客情報は、マーケティングのターゲット層の確定に役立ちます。CMSのコンテンツ管理はマーケティング・イベントに使うことができます。
したがってこの2つのツールの要素を組み合わせると、例えば顧客1人ひとりに合わせたオーダーメード型のコンテンツの作成・発信が可能になるでしょう。そしてこれは、SFAを使っている営業担当者の営業活動にも、CMSを使っているWebサイト担当者やEC担当者のWebマーケティングにもプラスになるはずです。
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SFAをCMSに連携させる仕組み
SFAとCMSを連携させる方法はいくつかあります。
カスタム統合、専用ツールの利用、エクスポート・インポート
カスタム統合は、カスタム開発を通じてSFAとCMSを連携させる方法で、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を使うのが一般的です。APIでSFAとCMSの間のデータの受け渡しを行います。
またSFAとCMSを連携させる専用ツールも販売されていて、これを使うこともできます。
さらに、データのエクスポート・インポート(データの出し入れ)という方法もあります。SFAから必要なデータをエクスポートして、それをCMSにインポートします。CMSからエクスポートとしてSFAにインポートすることも可能です。
加工が必要
SFAとCMSはそれぞれが独立したシステムなので、単純に合体させることはできません。SFAとCMSの連携は、要はデータのやり取りなので、片方で扱っているデータを他方で使えるように加工する必要があります。
APIを利用する場合は、APIエンドポイントを設定したり、認証情報を取得したりして加工します。
またエクスポート・インポート方式では、例えばSFA→CMSの場合は、SFAから必要なデータを抽出して(エクスポートして)、それをCMSが受け入れることができる形式に変更してからCMSにインポートしていきます。
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SFAとCMSを連携するメリット
次にSFAとCMSを連携させることで生まれるメリットを紹介します。
イメージとしては、SFAを使う営業チームの仕事と、CMSを使うWebサイト・チームの仕事が、ともに充実してともに深掘りできて、その結果ともに高い成果が得られるようになります。
顧客情報を一元管理できるためより正確になる
SFAにもCMSにも顧客情報を管理する機能があります。両者を独立させていると、1社のなかに2つの顧客情報管理業務が発生していることになり、これは無駄です。また、SFA担当者とCMS担当者が別個に顧客情報を入力することになるので、同じ顧客なのに内容が異なってしまうこともあります。
SFAとCMSを連携させると顧客情報を一本化して一元管理することができ正確性が増します。
これはほかの情報についても同じことがいえ、SFAとCMSの連携はデータの正確性と一貫性を向上させます。
Webマーケティングが容易になり充実する
連携させることによって、SFAで得た顧客の購買履歴や行動履歴を元に、CMSでターゲットに合わせたコンテンツやオファーを提供できるようになります。これによりWebマーケティングやEC事業の質が向上し、見込み客の獲得やリピーターの増加、既存客の単価の向上などを期待することができます。
Webサイト担当者やEC担当者は定期的にコンテンツを更新してきたと思います。しかし更新ありきで更新頻度を増やすことだけを念頭に置いていると、顧客や消費者を置いてきぼりにしたコンテンツになってしまいがちです。
しかしSFAとCMSが連携すると、Webサイト担当者やEC担当者もほぼリアルタイムで営業情報を入手できるようになります。営業情報とは顧客の生の声なので、それを元にコンテンツをつくっていけば顧客に刺さる内容になるはずです。
また、多くの時間と労力をかけてつくるランディングページも、SFA経由で入ってくる顧客情報や営業情報をベースにつくることができ、より高い効果が期待できます。
SFA=CMS連携はWebサイト担当者やEC担当者を、当てずっぽうのWebマーケティングから脱却させ、エビデンスに基づいたWebマーケティングに移行させることでしょう。
営業活動が可視化され充実する
CMS上にSFAからのデータを表示することができます。これによって営業活動の進捗や営業実績を一元的に把握できるようになります。
営業活動が可視化されるようになるので、経営層、管理職層、担当者層で営業関連情報の共有化が進み、効率的かつ効果的な営業を展開できるようになります。
経営陣が営業戦略を変更するときも、情報共有が進んでいるのでスムーズに管理職層や担当者層に浸透させることができます。つまりトップダウンがスムーズに進みます。
その逆に、担当者レベルで営業のやり方を変える必要が出てきたときは、管理職層や経営層に現状をリアルタイムで伝えることができるので、ボトムアップがスムーズにいきます。
カスタマーサポートの質が向上する
顧客の問い合わせや顧客からのフィードバックに関する情報の収集は、通常はSFAに入力された時点で完了してしまいます。この状態では、営業チームは顧客からの情報を活用できても、Webサイト・チームやECチームは活用できません。
SFAとCMSを連携させることで、顧客からの情報が、営業チーム、Webサイト・チーム、ECチームに同時に届くようになります。
これにより各チームが迅速に必要な対策を講じられるようになります。つまり、営業チームの顧客対応とWebサイト・チームの顧客対応とECチームの顧客対応が同時に改善されます。これによりWebサイトは改善できたのに、営業担当者の対応がまずくて結局顧客に逃げられてしまった、といったちぐはぐな対応が解消されます。
顧客の自社へのエンゲージメントが高まる
営業担当者とWebサイト担当者とEC担当者には、顧客の自社へのエンゲージメントを高めるという共通の目標があるかと思います。しかしSFAとCMSが独立していると、3者で協力してこの目標に向かうことができません。
SFAとCMSを連携させると、3者は情報を共有できるので、誰かのアイデアがすぐにほかの2者に伝わります。
例えば営業担当者が営業キャンペーンを実施すれば、WebマーケティングでもECサイトでもそれとコラボしたキャンペーンを実施できます。
SFA=CMS連携は、営業担当者とWebサイト担当者とEC担当者の一致団結を可能にして、3者は協力し合って顧客に向き合うことができるようになります。
全体的に生産性が向上する
SFAとCMSが連携するとデータの再入力が要らなくなったり、重複作業が減ったりして作業効率が向上します。これはダイレクトに生産性を向上させます。
また、SFAとCMSが得た情報をすぐに統合させることができるので、その統合データを分析することでより深いビジネス・インテリジェンスが得られ、これも生産性の向上に寄与します。
SFAとCMSを連携してから一定期間が経過すると、体感レベルで全体の生産性が向上したことを理解できるでしょう。
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まとめ
SFAとCMSの連携は「百利あって一害なし」の取り組みであり、この2つのシステムを使っている企業様に自信を持っておすすめすることができます。
LYZONはSFA=CMS連携の実績があり、企業様の営業活動とWebマーケティングの双方をサポートしてきました。
強い営業チーム、生産性が高いWebサイト・チーム、稼ぐECチームを構築したい企業様や、営業とWebマーケティングの相乗効果を高めたい企業様はぜひLYZONにお問合せください。
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