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LYZON編集部

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【解説動画あり】PIM導入をより効果的に!Webサイトとの連携で生まれる新たな価値

今、製造業を中心に「製品情報管理(PIM)」を導入する企業が増えてきています。そこにはどのような背景があるのでしょうか。この記事では、製造業が抱える現在の課題と、その解決手段であり、ビジネスを飛躍的に向上させるPIMについてご紹介します。

動画で解説!PIM連携とは?Webサイトとの連携で生まれる新たな価値



01.

製造業における「情報管理」と「即時性」の課題

かつては単一の商品を大量生産することが製造業における主流でしたが、現在は顧客ニーズが多様化し、また製品のライフサイクルも早まっていることから、「多品種・少量生産」が主流になっています。即時的なマーケティング施策や商品投入が重視されるため、次々と新商品が生み出されているのです。

ビジネスで勝つためには、世の中のニーズを的確に捉え、より多くのニーズがある製品を、過不足なく生産していくことが大切です。しかしそれと同時に、新商品が出たら、いち早くお客様にその情報を届けることも重要で、これをできるかできないかが、ビジネスの勝敗を大きく分けます。

もし必要なタイミングで情報を届けられなかったら、せっかく良い製品を作っても売れません。仮に頻繁に新商品を出したとしても、カタログの更新が年2回程度では、大きな機会損失になってしまいます。ECサイトも同様で、新商品が出たり仕様や規格が変更されたりした場合には、即時的にECサイトに反映されるのが理想です。

しかし、それらができていないがために、ビジネスチャンスを逃してしまっている企業は往々にして存在しています。「ここを見れば最新の製品が載っている」という具合に、新商品を見つけやすい状態をカタログやサイトで実現できているかが鍵となります。

ここに製造業の課題が潜んでいます。「多品種化」により製品情報の管理と更新が煩雑化し、「カタログやECサイトへの反映が遅れる」という課題です。日本では多くの企業が部門ごとにデータ管理をしているため、それぞれのデータの更新作業に大きな時間と労力がかかっています。

また、現代はスマホなどの普及に伴い、販売チャネルのマルチ化が進んでいます。製品の仕様や規格が変更されれば、紙のカタログだけでなく、WebカタログやECサイト、モバイルアプリなどそれぞれの情報更新が必要です。それ以外にも、社内の発注システムや在庫管理システム上での更新も求められるため、製品情報の管理と更新はますます複雑化を極めます。

未だ多くの企業では、これらの情報管理をExcelなどを使って部門ごとに行っています。製品情報や型番の管理がきちんと整理されていないメーカーが多数あり、これでは管理者に膨大な労力がかかるのはもちろん、状態の異なるExcelファイルが点在してしまうなど、情報のズレが発生することも珍しくありません。

02.

PIM連携により、製品情報をリアルタイムに届ける

こうした課題を解決するのが、「製品情報管理(PIM)」システムです。

PIMとは「Product Information Management」の略。このシステムを導入することで、製品情報の一元管理(マスターデータ管理)が可能になります。PIMシステム上で製品の情報が更新されれば、自動的にECサイトやWebカタログ、その他の連携システムへ反映されるのです。

これにより部門を超えて製品情報を共有できるため、情報の多重管理やコミュニケーションコストの削減が見込めます。そして情報のズレやデータ反映の遅れがなくなるため、新商品の情報をリアルタイムでお客様に届けられます。つまり、ビジネスで勝つために大切な「打席に立つチャンス」が飛躍的に向上するわけです。

具体例として、当社が2012年より導入支援しているある部品メーカーでは、それまで年2回のカタログ更新が主な製品リリースの場でしたが、PIMの導入により現在では年24〜36回の頻度で新製品の情報をリリースしています。ビジネスチャンスの増大により、業績は大きく伸びていきました。

03.

PIMでコスト削減、さらなる商機拡大も実現

PIMのメリットはこれだけに留まらず、たとえば紙カタログの制作におけるコストダウンも見込めます。

企業によっては年間約5000万円かけて、長期間かけてカタログを制作しています。印刷物では誤植が許されず、正しい情報とズレがないか、部門ごとに何度もチェック作業が発生するためです。しかし、PIMを導入していれば、マスターデータからカタログの自動組版を実現でき、作業は大幅に効率化されます。制作がスピードアップするうえ、コスト削減につながります。
仮にPIMのシステム構築に2000万円かかったとしても、2〜3年で回収できる計算です。

また、WebサイトやECサイトに製品情報を載せる際も、業者に発注すれば「1ページにつきいくら」と請求されるケースがあります。仮に1ページあたり5万円とすると、100製品分のページ制作で500万円かかります。しかしPIMとWebが連動していれば、新製品が出るたび、自動的にWebページが作成されます。PIMに100製品登録すれば、Webサイト上に自動的に100ページできるわけです。こうしたことも大きなコスト削減につながります。

グローバル展開している企業であれば、PIMの重要性はさらに増します。多言語対応するWebサイトで、二重、三重のデータ管理をしていれば、製品のサイト掲載のタイミングが遅れ、ますます商機を逃してしまいます。これまでは海外に営業支店を持つことが重要でしたが、今はそれだけでは不十分で、Webで適切な情報発信をし、新商品が出たらリアルタイムで世界で売れるようにすることが肝要です。

そして、PIMとEDI(Electronic Data Interchange/電子企業間取引)を連携させることで、ビジネスチャンスはさらに拡大します。部品メーカーなどの製造業者にとって、自社のECサイトだけで商品を販売するケースは稀で、大多数がAmazonやモノタロウ、楽天市場など、ECモールへの出店で複合的に商品を販売しています。EDI連携で国内外の商社のデータベースとつなげることで、PIMに登録された商品を自動的に様々なECモールで出品することが可能になります。

04.

まとめ

製造業にとって、PIMを導入し、新商品をWebとカタログでリアルタイムに届けることがビジネスで勝つために重要になります。とくに世界で勝負する企業であれば、お客様に対して、商品をきちんと流通させるための基盤を作ることが大切です。

工場を作るのには何十億、何百億とかかりますが、もしまだ製品の情報管理や流通基盤が十分に整っていないとすれば、PIMの導入は工場を作るよりも遥かに少額で、リターンの多い投資となります。

とはいえ、担当者レベルではこの重要性を認識できていても、「進め方がわからない」「Web、紙カタログ、製品管理で部門が分かれているので難しい」などの理由から、なかなかPIM導入に踏み切れないというケースもあります。経営層の理解と承認が必要な改革なので、その部分での社内提案も含めて、LYZONではPIM連携の基盤づくりをサポートしていきます。



※エントリーの内容・画像等は、公開時点での情報に基づきます。
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