COLUMN コラム

構築

市島

市島

今知るべき、Sitecore DAMで一元管理するコンテンツライフサイクルの全貌

今知るべき、Sitecore DAMで一元管理するコンテンツライフサイクルの全貌

Sitecore社は2020年7月、Sitecore Content Hub バージョン3.4をリリースしました。
デジタル資産の有効活用で注目を集めるSitecore Content Hub。その中でもコアとなるSitecore Digital Asset Management(以下、Sitecore DAM)を新機能とともに解説していきます。

01.
デジタルマーケティングを加速させるSitecore Content Hubとは

Sitecore DAM
(デジタルアセット管理)
Sitecore MRM
(マーケティングリソースマネージャー)
Sitecore CMP
(コンテンツ マーケティングプラットフォーム)
Sitecore PCM
(製品コンテンツ管理)
Sitecore W2P
(Web-to-print)
保存、管理、配信などのデジタルアセットの管理 予算、すべてのマーケティングプロジェクトのフェーズを管理 コンテンツ戦略の策定、計画、制作や配信 EC/Webやアプリで利用するすべての製品情報に関する管理 ユーザーにセルフサービスの制作物の自動製作プロセスを提供

Sitecore Content Hubは、デジタルマーケティングで活用するコンテンツのみならず、画像や動画などの素材をデジタル資産として管理していくソリューションです。
加えて、プロジェクト管理やワークフローの実装なども連携し、効率的なコンテンツ制作からサイト公開までを支援します。

その全体像は「Sitecore Content Hub 入門 ~5つの要素を解説!~」で捉えています。

02.
Sitecore DAMでデジタルデータをデジタル資産へ

部門をまたいだキャンペーン施策、複数の運用ルール、多岐に渡るチャネルなど・・・コンテンツマーケティングの場では画像や動画といったデジタルデータがあちこちに分散してる状況ではないでしょうか。Sitecore DAMはそういったデジタルデータを一元管理し、デジタル資産として管理します。

大まかに言うと、Sitecore DAMはデジタル資産のマスターデータを元に、チャネル・コンテンツごと最適化されたアセットをマスターデータと紐づけ管理していくシステムです。アセットは複雑なメタデータとともに管理され検索と組み合わせた運用をベースに、作業を合理化、効率化していくよう設計されています。
では、次にSitecore DAMのそれぞれの機能を掘り下げていきましょう。

自動サムネイル生成とマスターに紐づいたアセット管理

Sitecore DAMへ画像をアップロードすると、高解像度のマスターデータを保持したままサムネイルが自動生成されます。そのためSitecore DAMの一覧で確認するための低解像度の素材を作る工程を短縮します。

動画をアップロードした場合も同様で、高解像度のデータをマスターデータとして持ちながらプレビューデータを自動生成しするため毎回重いデータを再生する必要がなくなります。

また、アセットはバージョン管理されます。

AIを使った自動タグ付けと検索機能

データをアップデートするだけで、AIが画像や動画を自動分析しタグ付けします。
タグ付けされているテキストは検索することができ、素早くほしいデータにアクセスが可能です。これにより、ユーザーは膨大なライブラリデータから必要なアセットを適切なタイミングで見つけることができます。

AIを使ったスマート切り抜き

マスターデータをもとにSitecore DAM上で画像のリサイズもでき、ブラウザ上で作業が完結します。スマート切り抜き機能を使用することで、幅(px)・高さ(px)を指定するだけでAIが画像の中心を計測し自動生成してくれます。
画像はカスタム切り抜きも可能です。

コレクションでアセットから利用用途ごとにグルーピング

コレクション機能を使い利用用途ごとにアセットグループを作ることができます。
これはアセットが複製されているのではなくリンク設定となっているため、データの無駄な複製を回避します。

アセットのスムーズな共有

コレクションで作成したグループはSitecore DAMの中で共有することができます。
内部アクセスでユーザーを追加し、アセットを共有したい社内メンバーを選択するだけで共有作業は完了します。
また、外部の制作ベンダーへ共有する際はアセットをダウンロードするURLを発行します。その際、作業権限やページ有効期限もあわせて設定できるため、素材共有のために別途ストレージを準備したり別管理する必要がなくなります。

03.
デジタル資産のコンプライアンス遵守

個人的に注目したいのが著作権管理です。
著作権、使用期限、使用許諾のルールを自動化することにより、デジタル資産のライフサイクルまでも管理します。

04.
システム連携でさらなる効率化

Sitecore Experience Platform

Sitecore DAMで管理しているアセットは、Sitecore Experience Platformとの連携でWebサイトやニュースレターで活用することが可能です。
リッチテキストエディターにコネクタをインストールすることで、リッチテキストエディターからSitecore DAMへアクセスすることができます。

Salesforce Marketing Cloud

コネクタを使用することでSalesforce Marketing Cloudインターフェースから離れることなく、Sitecore DAMで管理されたアセットを取り込むことができます。

Drupal

高機能オープンソースCMS DrupalでもSitecore DAMの導入が簡単に行えます。

05.
Sitecore Content Hub 3.4 新機能

動画オプションの先進的な進化

1. Video Analysis

これまであった動画を分析し著名人を判別する機能に加え、有名な画像や建築物への自動タグ付け機能が追加になりました。

2. Video trim

動画トリミング機能がサポートされました。

3. Video Subtitles

動画内の音声を文字に書き起こす字幕機能が拡張されました。
また字幕は検索の対象となり、動画をより使いやすくするための自動化機能が強化しています。

さらなるAdobe CCとの連携強化

Adobe InDesignとの連携コネクタに加え、Adobe Photoshop、Adobe Illustratorとの連携コネクタが提供開始されました。
これによりクリエイターはそれらAdobe製品からアセットをチェックアウトし編集したのちチェックインすることができます。

06.
まとめ

ユーザーは、より魅力的でパーソナライズされたエクスペリエンスを求めています。最高のエクスペリエンスを演出するためには、良質なコンテンツのライフサイクルをコントロールすることが鍵になってくるのではないでしょうか。

Sitecore社CTO Tom De Ridder氏は「私たちのビジョンは、常に作業を合理化しクリエイティブプロセスの面倒な部分を取り除くことです」と述べています。
さらに拡張されたSitecore DAMでのアセット管理により、マーケティング担当者は確実にビジネスの時間と費用を節約に導いてくれます。



※エントリーの内容・画像等は、公開時点での情報に基づきます。
※Sitecoreのバージョンによって実装されている機能が異なります。

この記事を読んだ人はこちらの記事も読んでます

LYZONとのパートナーシップ

Sitecore導入に関するご相談・資料ダウンロード

導入をご検討・ご依頼の方や、サービスについてご不明点がございましたらお気軽にお問い合わせください。

Sitecoreの運用問題を解決する

既にSitecoreを導入しているお客様向けサービス