コンテンツ管理にとどまらないCMS 「Sitecore」
Sitecoreはコンテンツ管理機能だけでなく、優れたデジタルマーケティング機能も持つCMSです。
また、すでに利用しているシステムとの連携をはじめ、スピード感を持った開発がしやすく、市場ニーズの変化や事業の成長にあわせ、柔軟に機能追加・改修を行うことができます。
Sitecoreはどんなサイトに適しているのか?
Sitecoreは比較的大規模なサイトに適したCMSです。エンタープライズ企業・グローバル企業様に多く採用されています。
CMSの種類はさまざまな方法で分類できますが、中でも大きな選定基準になるのが自社のサイト規模にあっているか?という点です。
LYZONではCMSを「大規模向け」「中規模向け」「小規模向け」の3つに分類することができると考えており、開発規模に見合ったCMS選びを推奨しています。
Sitecoreの優れた点
Sitecoreには以下のような優れた点があります。
①基本となる「コンテンツ管理機能、柔軟なワークフロー」が整っている
②サイバー攻撃に備えた強固な「セキュリティ」が担保できる
③大量アクセスに耐えられる「パフォーマンス」を維持できる
④グローバル・グループ企業との「共通基盤」として使える
⑤既存の基幹システムやSaasとの「システム連携」ができる
いずれもCMSを選定する上で考慮すべきポイントで、とくにサイトの規模が大きいほど重要な観点です。
これらのポイントを踏まえ、さらに詳しく解説します。
01.
大規模サイト向けCMS サイトコアとは?
サイトコアとはCMSの名前でもあり企業名でもあります。
CMSとはWebサイトを簡単に作る・編集できるソフトウェアですが、その中でも大規模サイト向けに作られたCMSがSitecoreです。
Sitecoreはもともとデンマークで2001年に起業した会社で今ではアメリカ法人が本社になっています。
CMSとしては世界の70カ国以上で展開されているグローバルなシステムです。
LYZONはそのSitecoreを日本国内で導入・販売させていただいており、その中でも実績数としては国内No.1の実績があります。
02.
Web開発の規模にふさわしいCMSの見分け方は?
現在、日本発・海外発含め多くの種類のCMSがあります。
LYZONでは数あるCMSを「大規模CMS」「中規模CMS」「小規模CMS」という3つのカテゴリに分類しています。
大規模CMSとは?
ITソフトウェアを評価すガートナー社が出しているガートナーレポーでCMSのランキングをもとに大企業・エンタープライズ向けの大規模CMSとして分類しています。
WordpressやMovabletypeという名前はお聞きになったことがある方も多いと思います。
WordpressはオープンソースのCMSで、ライセンス費用無料で利用することができます。個人や商店な小規模なサイトでも非常に良く利用されており世界で一番普及しているCMSといっても過言ではありません。
一方でエンタープライズ向けの「大規模CMS」ではライセンス費用が数千万~数億単位でかかってきます。
Adobe Experience Manager(AEM)、Sietecore、Acquiaをはじめ、Oracle、Opentext製品などいくつかの種類があります。
中規模・小規模CMSとは?
その他、日本で生まれたCMSもいくつかありHeartcore、Araya、RCMS、PowerCMSなどをLYZONでは「中規模CMS」と分類しています。
また、Wordpress、WIXのような個人でも使われているような無料のオープンソースCMSを「小規模CMS」と分類しています。
03.
各種CMSの中でサイトコアの評価は?
ガートナー社など外部機関による調査結果
ガートナー社やフォレスター社などの外部機関のレポートでサイトコアの評価を見てみると、いずれのレポートでもここ数年はAdobe Experiense Manager(AEM)、Sitecore、Acquiaの3つが近い位置にマークされています。
AcquiaはオープンソースCMS「Drupal」で構成されたCMSです。以前はAEMとSitecoreの二強のような時期が続いていましたが近年はこのAcquiaも追い上げてきています。
CMSの評価基準の変化
近年、とくに大規模CMSに関しては単にコンテンツを管理する機能だけでなくさまざまな拡張機能が備わっている製品が多く、単純にCMSとして評価することが難しくなってきている傾向がみられます。
近年のガートナーレポートを見ているとそれらの機能を含めてCMSが再評価され順位変動も起こってきていますが、その中でも変わらず評価され続けているのがAdobe AEM、Sitecoreの2つのCMSと言えます。
なお、企業によって評価基準が異なるため実際にどれがいいの?ということがわかりづらいかもしれません。
弊社でもこのようなレポートの順位変動や評価軸の変化といった動向は常にウォッチしています。
貴社に適した評価軸の見つけ方やレポートの評価理由について詳しくお聞きになりたい方はぜひLYZONへお問合せください。
04.
グローバル企業、日本企業でサイトコアの導入事例は?
グローバル5200社以上、国内120社以上の実績
Sitecoreはグローバルでは5200社以上の企業への導入実績があります。
大手飲料メーカー、高級自動車メーカー、有名化粧品ブランドなどみなさんも良く知る企業が多くあり、業界問わず年間売上が数兆円~数千億円規模の大企業に多く導入されているソリューションです。
また、国内でSitcoreを導入している企業は120社以上あります。
この数に外資系の企業は含まれていないため、実際にはもっと多いです。
(外資系企業の場合は本国ですでにSitecoreを採用していて日本法人でもそのまま利用される場合が多いです。)
トヨタ様、富士通様、リコー様、キャノン様、みずほ銀行様など誰もが知る大手企業のサイトに利用されています。
05.
近年行われているサイトコアの戦略変更とは?
使いたい機能を自由に組み合わせられる「コンポーザブルDXP」戦略
実はSitecoreでは2022年に大きな戦略変更がありました。
それまでと同様CMS機能をメインとした製品を中核に置きつつも、拡張的な機能であったCDPやDAM,MA機能などを単体で切り出したソリューションの提供を開始しました。
これは「コンポーザブルDXP」という考え方で、MA機能だけ、CDP機能だけ、など自社で使いたい機能だけを自由に組み合わせて導入することができるため、ライセンス費用は抑えながらも自由度高くサイトの設計をすることが可能になります。
近年のエンタープライズ向けサイトの構築ではコンテンツマネジメント以外の機能が求められることが多く、コンポーザブルDXPの推進はまさにこのようなニーズの変化にあわせたものと言えます。
Sitecore社はこの戦略に対して1,300億円の投資を宣言しており、Saas企業の買収も含め各機能を拡充させるための取り組みを行っています。
06.
サイトコアのもつ機能とは?
Sitecoreで利用できる機能のうち、代表的なものをいくつかご紹介します。
コンテンツ管理機能
DAM
画像や著作権の管理、検索をしやすくするデジタルアセット管理機能です。
Content Hub
ワークフローも含めてコンテンツ管理の仕方をより効率化するためのシステムです。
例えばディレクターからの修正指示⇒デザイナーによる修正完了連絡⇒ディレクターからの追加指示..といったやりとりまでもをContent Hubの中で管理することができます。
マーケティング・パーソナライズ関連機能
CDP
顧客データをためておく場所。単にためておくための箱というイメージが強いかもしれませんが、SitecoreのCDPはデータを活用する機能もついています。
パーソナライズ
ユーザーひとりひとりにあわせた最適な情報を表示する1to1マーケティング機能です。
Sitecoreはユーザの情報を1st Party Cookieで管理することができ、このCookie情報からひとりのユーザーを追いかけてパーソナライズドされたコンテンツを提供します。
Sitecoreのパーソナライズなら、ここ数年騒がれている個人情報保護のための3rd Party Cookie廃止問題にも対応できるため、早いうちから取り入れていただくべき機能だと言えます。
Sitecore SEND(MA)
メール配信にパーソナライズを組み合わせて顧客データを反映したメールを配信できるシステムです。
Order Cloud(EC機能)
製品情報の管理、オーダー管理、サプライヤー管理など多くの機能があります。
また、Sitecore DisvcoverというEC専用のパーソナライズ機能により最適化されたレコメンドや製品情報を届けることができます。
07.
大企業はCMSを何を基準に選ぶべき?
基本となるコンテンツ編集機能・ワークフローの管理
まずは基本的な機能やコンテンツの編集のしやすさ、マルチデバイス対応、ワークフロー・権限管理のしさやすさです。
コンテンツの編集に関しては、近年どのCMSも機能が充実しており、大きな差がないのが実情ですが、エンタープライズ向けCMSの場合はサイト運営にかかわる人数も多くなりますので、大規模な組織にあわせて自由にワークフローや権限の設定ができることがひとつのポイントになります。
セキュリティ・パフォーマンス
WEBサイトは企業の信用・信頼に直結します。
サイバー攻撃が増えている昨今、セキュリティ基盤が強固なものを選ぶことは信用を保つうえでも重要になります。
また、エンタープライズ企業の場合はサイトへのアクセス数が数万~数百万単位になるため、それに耐えうるパフォーマンスが必要になります。
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オープンソースのCMSを使えば安くサイトが作れるのにどうして高いライセンス費を払うの?と疑問に感じられる方もいるかと思いますが、快適なアクセスやセキュリティを担保することは結果として企業への信用やイメージを守ることにもつながります。
グローバル対応・グループ企業での共通基盤として使えるか?
大企業の場合、世界各国の拠点があったり、複数のグループ企業を抱えています。それぞれの国や子会社で別々のCMSを利用すると管理も煩雑になってしまいます。
そこで多言語・多地域で利用できるCMSを共通の基盤とすることでサイト更新の手順や掲載するデータも共用することができ、情報発信のスピードを上げることができます。
WEB DXの基盤になるのか?
上場企業など規模の大きいサイトほど、基幹システムやSaasとの連携を求められます。
また、サイトは一度作って終わりではなくニーズにあわせて機能の追加や改修を実施することも多いため将来作りたいWEBシステムの基盤になるのかどうかという観点も重要です。
Sitecoreはそういった連携開発がしやすいため、ライセンス費用は中小規模のCMSと比較すると高額にはなりますが、長く使えるWEB DXの基盤としてみるととても費用対効果の高いCMSであると言えます。
08.
なぜサイトコアが選ばれるのか?
大規模CMSの中でなぜサイトコアが選ばれるのか?
自由度の高い開発基盤
複数ある大規模CMSの中でもサイトコアを選ぶ理由はでしょうか?
Sitecoreは連携しやすく作られている点がポイントになります。
基幹システム、Saas等の他システムと連携しやすく作られており、WebDX基盤として最適だからです。
他社のJavaベースのCMSの場合、後から機能を拡張しようとしてもできることが限られている場合があります。
Sitecoreはシステムが疎結合にできており、インターフェイス、APIが充実しているため拡張がしやすくスピード感をもって追加開発をすることができます。
近年はWeb開発にもスピードが重要なため、自由度髙く開発ができる基盤はその一助となります。
同じく大規模CMSであるAcquiaはDrupalというオープンソースのCMSをベースに作られているため開発の自由度は高いです。
ただし、元々がエンタープライズ向けCMSではなかったため、大規模サイト向けに拡張するとなると根幹からの大ががりな開発が必要になります。
費用対効果が良い
2つ目はライセンス費用です。SitecoreはAEM,Opentext等他のエンタープライズCMSの中でも若干ライセンス費用が安いです。
一方で機能は充実しているため、費用対効果の良さはひとつの強みです。
拡張機能が充実している
3つ目に、CDP、DAM、MAといった個別の機能の拡張が進んでいるため、後からサイトでこれをやりたい、あれをやりたい、という要望が出てきたときに機能開発がしやすいこと、またSalesforceやDynamycs CRMなど他サービスとの連携用モジュールがあるため外部ツールとの連携がしやすい構成になっています。
Sitecoreを導入することによって自由な選択肢が増え、ソリューションに固執することなくスピード感を持ってマーケティングやビジネスを推進させることが可能になります。
中小規模CMSからサイトコアに移行するメリットとは?
Web DX基盤として長く使えるサイトが構築できる
中小規模のCMSの場合、開発や連携といった拡張性に限界があります。
たとえばEC機能と連携したい、CRM/SFAと連携したいといった場合に難しく、別途サービスを利用するかCMSを乗り換える必要が出てきます。
SitecoreのようなCMSを利用することで、デビジネスの成長度合にあわせてスムーズにサイトを拡張でき、Web DXの基盤として長く活用することができます。
グローバル、グループ企業への展開に対応できる
Sitecoreはすでに国内外で広く利用されている多言語・多地域対応のCMSのため、グローバルやグループ企業とも共通の基盤を利用することができます。
中小規模のCMSの場合、海外ではベンダーがいなくて対応できない、といった場合も発生します。
権限・ワークフローの柔軟性
組織が成長し大きくなるほど、webサイト運用にかかわる関係者が増え、担当業務や所属に応じた細やかなユーザー権限・ワークフローの設定が必要になります。
中小規模のCMSでは権限のカスタマイズに限りがあることが多いですが、Sitecoreでは権限・ワークフローともに細やかな設定が可能です。
コンテンツ制作や翻訳の一部を外部の組織に委託するといった場合でも必要な権限のみを付与し、効率良く安全にコンテンツ更新を行うことができます。
デジタルマーケティングをスムーズに推進できる
システム連携のしやすさや、Sitecoreに標準で備わっている機能によりデジタルマーケティングをスムーズに進めることができます。
09.
組織の未来を見据えたCMS選定を
組織の拡大や市場のニーズにあわせた追加開発ができ、長く使えるサイトを構築することはビジネスを成長させるうえで大変重要です。
Sitecoreは、長期的な視点でみても優れたCMSであると言えます。
もっと詳しく知りたい、導入を検討したいという方はぜひLYZONにお問い合せください。
※エントリーの内容・画像等は、公開時点での情報に基づきます。
※Sitecoreのバージョンによって実装されている機能が異なります。