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LYZON編集部

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Sitecore(MVCモデル)高速化のベストプラクティス ~エンタープライズ向けパフォーマンスチューニングの要点

Sitecore(XP/XM)は高機能なDXPですが、大規模サイトや複雑なコンポーネント構成を採用すると、パフォーマンスが課題になるケースがあります。特に.NET MVCベースの従来型アーキテクチャでは、コンポーネント設計、CDサーバーへの負荷集中、キャッシュ設定の不備などが積み重なり、表示速度やスケーラビリティに影響を及ぼしがちです。

本記事では、SitecoreのMVC環境において、実際の構築・運用現場で発生しやすいボトルネックと、それを解消するための具体的なチューニング手法を解説します。

01.

Sitecoreサイトで発生しやすいパフォーマンス課題

1. Rendering(レンダリング)処理の肥大化

SitecoreのMVCコンポーネントは柔軟性が高い反面、View(.cshtml)内に複雑なロジックを実装してしまうと、レンダリング時間が著しく増加します。 View内での大量のアイテムクエリ実行、深い階層へのItem参照、重いLINQフィルタリングなどがHTML生成を遅らせる典型的な要因です。

2. Content Search(Solr)のクエリ過多

Solr自体は高速な検索エンジンですが、ページロード時に複数のコンポーネントが個別に検索クエリを発行すると、通信レイテンシが累積して遅延につながります。 特に、非効率なIndex Schemaの設計や、Filter Queryの不備は検索パフォーマンスを低下させます。

3. キャッシュ設定の初期不良

Sitecoreには強力なキャッシュ機構が備わっていますが、「開発中はキャッシュなしで進め、公開後に遅さが発覚する」というケースが多く見られます。 特にRendering Cache(HTMLキャッシュ)が適切に設定されていない場合、すべてのリクエストで重いレンダリング処理が再実行されてしまいます。

02.

Sitecore特有の高速化ポイント(構築フェーズ)

1. Rendering設計の最適化

  • ロジックの分離
    Viewでのデータ取得処理を禁止し、ControllerまたはModel側でロジックを集約します。
  • データ取得の効率化
    ItemResolverを活用し、リクエストの初期段階で必要なデータを準備します。大量のデータ参照が必要な場合はRepositoryパターンを採用し、バッチ処理等で効率化を図ります。
  • SXAの整理
    SXA(Sitecore Experience Accelerator)を使用している場合、読み込まれる不要な標準スクリプトやスタイル、コンポーネントを削除・無効化します。
    大量のデータ参照は Repository パターンに寄せ、コントローラでのバッチ処理で高速化できます。

2. Solr クエリの最適化

  • クエリ回数の削減
    可能な限りAPI呼び出しをまとめます。IQueryable の遅延実行を活用し、GetResults() や ToList() の呼び出し回数を最小限に抑えます。
  • Index Schemaの最適化
    検索に必要なフィールドのみをインデックス化し、Computed Fieldを活用して複雑な計算結果をあらかじめ格納しておきます。
  • フィルタリングの改善
    頻繁に使用される絞り込み条件は Filter Query (fq) としてキャッシュされやすいように設計します。

3. キャッシュ戦略の設計

Sitecore(MVC)では、各レイヤーでの適切なキャッシュ設定が不可欠です。

  • HTML (Rendering) Cache
    最も効果が高いキャッシュです。コンポーネント単位で生成されたHTMLをメモリに保持します。「Vary by Data」や「Vary by Param」を適切に設定し、パーソナライズとパフォーマンスを両立させます。
  • Item Cache / Prefetch Cache
    データベースアクセスを減らすための内部キャッシュです。使用頻度の高いアイテムはPrefetch Cacheでアプリケーション起動時にメモリにロードし、DB負荷を軽減します。

※ ASP.NET標準の OutputCache は、Sitecoreのパーソナライズ機能と競合するため、ページ全体への適用は慎重な判断が必要です。

03.

Sitecoreサイトの高速化(インフラ・運用フェーズ)

1. CD/CM のスケールアウトとセッション管理

アクセス急増時のレスポンス低下を防ぐには、CD(Content Delivery)サーバーの水平スケールが有効です。 その際、セッション管理をインメモリ(InProc)からRedisなどの分散ストア(OutProc)へ移行し、ステートレスな構成にすることでスムーズなスケールアウトが可能になります。

2. Solr クラスターの最適化

大規模サイトでは、単一のSolrサーバーではなくSolrCloud構成を採用します。 Replication Factor(レプリケーション係数)の調整や、Zookeeperによる適切な分散管理を行うことで、検索負荷への耐性を高めます。

3. メディアライブラリ最適化

  • 画像形式の最適化
    Dianoga等のモジュール導入や、画像変換機能付きCDNを活用し、WebPやAVIF形式で配信します。
  • CDNへのオフロード
    メディアリンクの生成ルール(MediaUrlBuilder)を調整し、画像リクエストの向き先をCDNに向けます。

※ Sitecoreのメディアハンドラ自体を無効化するのではなく、ユーザーからのアクセスをCDN経由にすることで、CDサーバーが画像処理にCPUを奪われるのを防ぎます(Origin Pull構成)。

04.

Sitecore Performance Monitoring の重要性

改善活動には正確な現状把握が欠かせません。Sitecoreでは以下の監視手法が有効です。

  • Application Insights / New Relic
    サーバーサイドの実行時間、SQL依存関係、Solrクエリの応答速度、例外ログを詳細に監視します。
  • Sitecore Statistics Page
    /sitecore/admin/stats.aspx にアクセスすると、レンダリングごとの生成回数や平均処理時間が確認できます。どのコンポーネントがボトルネックになっているかを特定するのに役立ちます。

05.

事例紹介:株式会社SOLPAC 改善ポイント(SEO×高速化)

株式会社SOLPACのサイトトップページ にて行った施策の中で、効果が見られた改善ポイントをいくつかご紹介します。
PageSpeed Insights等の外形監視で課題を特定したうえで、フロント最適化とメタ情報整備まで一緒に進めることで、体感速度と検索流入の両面を底上げできます。

1. ALTの設定(情報品質の底上げ+SEOの基礎固め)

Sitecoreでは画像フィールドにALTを持てます。ALTには装飾目的の画像に長文を入れるのではなく、画像が伝える内容を短く正確に表現します(例:製品写真、図表、施工事例など)。
これにより画像の意味付けが明確になり、サイト全体の情報品質も向上します。

2. OGP設定(共有時の表示品質を揃え、流入機会を逃さない)

SNSやチャットでURLが共有された際に、タイトル・説明・サムネイルが整っているかは、クリック率に直結します。
OGP画像はメディアライブラリで管理し、テンプレート側で参照することで運用更新も容易になります。このようなメタ情報の整備はサーバー負荷をほぼ増やさずに実装でき、継続改善にもつなげやすいポイントです。

3. 画像のWebP化(転送量削減で体感速度を改善)

まずはトップや主要導線ページなど、アクセスが集中する領域から適用すると、効果測定がしやすくなります。転送量が減ることで表示が軽くなるだけでなく、CDサーバーの画像処理負荷の抑制にも効果的です。
SOLPACサイトでも画像のWebP化を行いました。

4. JS/CSSの縮小・整理(不要資産を減らし、初回表示を軽くする)

MVC/SXA環境ではコンポーネント増加に伴ってJS/CSSが肥大化しやすく、初回表示の遅延要因になりがちです。SOLPACサイトでも、以下の施策を実行しました。

  • 未使用JS/CSSの洗い出しと削除
  • フロントエンド資産の構成整理による初期ロード軽量化
  • 外部リソース依存を見直し、安定した配信構成へ改善

これによりフロント資産の読み込みが安定し、キャッシュ戦略やCDN活用とも噛み合って、体感速度の改善につながります。

06.

まとめ

Sitecore(MVCモデル)は多機能ですが、その性能を引き出すには専門的なチューニングが必要です。 レンダリング設計でのロジック分離、Solrクエリの統合、適切なレイヤーでのキャッシュ設定、そしてCDNによる負荷分散。これら4つのポイントを押さえることで、大規模なエンタープライズサイトでも軽快なユーザー体験を提供することが可能です。
Sitecoreの導入や移行をご検討中の方は、ぜひLYZONにご相談ください。

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