カテゴリー
年別
- 2018
- 2019
- 2020
- 2021
- 2022
- 2023
- 2024

構築

LYZON編集部

2024.11.29

CMSとは？CMSの基礎知識から導入時のチェックポイントまでを解説！

CMSとは、Content Manegement System（コンテンツ・マネジメント・システム）の頭文字を取った略称であり、Webサイトのコンテンツ（テキスト・画像・レイアウトなど）を作成する仕組みです。
CMSの管理画面から、テキストや画像などのコンテンツを入力すれば、CSSやHTMLのコードを書かなくてもWebページを作成でき、Webサイトの管理や更新、公開なども行えるため、この手軽さから広く普及しています。

本記事では、CMSを導入するメリットや種類、CMSの機能といった基礎知識から、CMS比較のポイントやトレンド、導入の基本的な流れについて解説します。

株式会社LYZONでは、CMSの選び方やCMSのメリットを最大限に引き出すポイントについて、Webサイトにてご紹介しています。より詳しく解説した資料をご希望の方は、無料ダウンロードも可能です。
CMS導入をご検討の方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

CMSとは？

「CMS」とは、「Contents Management System：コンテンツ・マネジメント・システム」の頭文字を取った略称で、ウェブサイトのコンテンツを簡単に作成、管理、公開できるシステムです。

通常、ウェブページの作成にはHTMLやCSSなどの専門知識が必要ですが、CMSを利用すると、そういった知識がなくてもCMSの管理画面からテキストや画像などのコンテンツを入力することで、Webページを作成できます。またエンジニアでなくても、Webサイトの管理や更新、公開などを行えるため、この手軽さから広く普及しました。

CMSの基本的な役割は、ウェブページのテキストや画像、動画といったコンテンツをデータベースに保存し、必要に応じてページに表示することです。CMSには、ブログ投稿や製品紹介、ニュース更新など、さまざまなタイプのコンテンツ管理機能が備わっています。また、テンプレートを利用することで、サイトのデザインを統一し、簡単に見た目を変更することも可能です。

CMS導入に向いているWebサイト・向いていないWebサイト

CMSの導入は、特定の条件を満たすWebサイトにおいて特に効果的です。CMS導入が適しているWebサイトについて説明します。

1. ページ数が多いサイト

数百から数千ページに及ぶ大規模なWebサイトでは、手作業での管理が困難となります。CMSを導入することで、コンテンツの一元管理や更新作業の効率化が図れます。

2. 更新頻度が高いサイト

ニュースリリースや製品情報など、頻繁に更新が必要なサイトでは、CMSの導入により迅速な情報発信が可能となります。これにより、最新情報をタイムリーに提供できます。

3. 複数の担当者が運用するサイト

複数の部門や担当者が関与するサイトでは、CMSを活用することで、権限設定やワークフローの管理が容易になり、運用の効率化とガバナンスの強化が期待できます。

4. マルチデバイス対応が求められるサイト

スマートフォンやタブレットなど、多様なデバイスからのアクセスが想定される場合、CMSを使用することで、各デバイスに最適化された表示を容易に実現できます。

5. 多言語対応が必要なサイト

グローバル展開を視野に入れ、多言語対応が求められるサイトでは、CMSを導入することで、各言語のコンテンツ管理が効率的に行えます。

これらの特徴を持つWebサイトでは、CMSの導入により運用効率の向上や管理負担の軽減が期待できます。一方で、ページ数が少なく更新頻度も低いサイトでは、CMS導入のメリットが少ない場合もあります。自社のサイト特性や運用体制を踏まえ、適切な判断を行うことが重要です。

一方で、CMSは多くのWebサイトにおいて有用ですが、すべてのサイトに適しているわけではありません。以下に、CMSの導入が向いていないWebサイトの特徴をまとめます。

1. 小規模なWebサイト

ページ数が非常に少ない、例えば企業の紹介や連絡先情報のみを掲載したシンプルなランディングページでは、CMSの導入は過剰投資となる可能性があります。このようなサイトでは、HTMLやCSSを直接使用して構築するほうがコスト面で有利です。

2. 更新頻度が低いサイト

一度公開したらほとんど更新の必要がないサイトもCMSには向きません。例えば、周年記念サイトやキャンペーン終了後に役割を終える特設サイトでは、CMSを導入して管理機能を強化するメリットが薄いです。

3. 高度なデザインや特殊な機能が必要なサイト

CMSは汎用性が高い反面、極めて独自性の高いデザインや機能を実現する場合には制約が生じることがあります。アニメーションを多用したインタラクティブなWebサイトや、特定のプラットフォームとの独自連携を必要とするシステムでは、フルスクラッチ開発が求められることが多いです。

CMSを導入するメリット

それでは、CMSを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

1．技術知識不要での運用

CMSは直感的なインターフェースを提供しているため、HTMLやCSSといったプログラミングの知識がなくても、簡単にコンテンツの作成・編集が可能です。これにより、社内の非エンジニアのスタッフでもコンテンツ更新を担えるようになります。

2．効率的なコンテンツ管理

CMSを使うと、すべてのコンテンツを一元的に管理することができ、更新内容や公開日なども容易に追跡できます。複数人での管理や承認ワークフローの実装も可能で、運営プロセスが効率化します。

3．SEO対策に役立つ機能

多くのCMSにはSEOに役立つ機能が標準装備されており、検索エンジン最適化（SEO）の施策を簡単に行うことができます。キーワード設定、メタデータの編集、リンク構造の最適化などが可能で、検索順位の向上が期待されます。

4．デザインの柔軟性

テンプレートを使用することで、デザインを容易にカスタマイズ可能です。また、レスポンシブデザイン対応のテーマが多く、スマートフォンやタブレットなど異なるデバイスでも最適な表示が可能になります。

5．情報の整合性とセキュリティ

CMSはデータベースと連携して情報を管理するため、更新履歴の管理やバックアップが容易です。さらに、セキュリティパッチや更新が定期的に提供されるため、セキュリティ面でのリスクも軽減されます。

6．多機能プラグインの利用

CMSには、機能を拡張するためのプラグインが豊富に用意されています。アクセス解析、ソーシャルメディア連携、フォーム作成機能などが簡単に追加でき、必要に応じた柔軟なサイト運営が実現します。

7．コスト削減とスピードアップ

従来、外部業者に依頼していたウェブ更新作業を内製化できるため、時間とコストの削減が可能です。迅速な対応が求められる場合も、CMSを利用することで即時にコンテンツを修正・公開できます。

CMSの種類

CMSの種類は大きく分けて3種類あり、それぞれの特徴についてご説明します。

1．オープンソースCMS

オープンソースCMSは、誰でも自由にソースコードを利用・変更できるCMSで、開発者コミュニティによってサポートされています。多くのプラグインやテーマが用意されており、ユーザーは自分のサイトに合わせて柔軟にカスタマイズが可能です。代表的なものに「WordPress」「Drupal」「Joomla!」などがあります。
オープンソースCMSは無料で利用できるものが多く、コストを抑えたい個人や中小企業に適しています。

2．パッケージ型

ベンダーが開発したCMSのライセンスを購入し、自社サーバーにインストールして利用するタイプです。初期費用やライセンス費用は発生しますが、ベンダーのサポートが受けられるため、オープンソース型よりも保守運用にかかる負担が少ないのが特徴です。

3．クラウド型CMS

クラウド型CMSは、インターネット上のクラウドサーバーで管理されるCMSです。ユーザーはブラウザ上で管理画面にアクセスし、コンテンツを編集したりサイトを運営したりします。
クラウド型CMSは、インストール不要でスケーラビリティが高く、初期費用が抑えられるのが特徴で、小規模なサイトやEコマースサイトによく利用されます。また、クラウド型CMSはアップデートやバックアップが自動で行われるため、運用が簡単です。

また近年利用が拡大しているCMSとしてヘッドレス型CMSがあげられます。
ヘッドレスCMSは、バックエンドとフロントエンドを分離したCMSです。コンテンツ管理の部分（バックエンド）とユーザーが閲覧する部分（フロントエンド）を独立させて管理できるため、APIを通じてさまざまなデバイスやプラットフォームにコンテンツを配信することが可能です。例えば、スマートフォンアプリやIoTデバイスなど複数のプラットフォームにも対応しやすく、ユーザー体験の向上やマルチチャネル戦略に適しています。

ヘッドレスCMSについては、「【解説動画あり】ヘッドレスCMSとは？特徴や導入方法まとめ　ヘッドレスとパッケージ型の違い」でも解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

CMSの機能

CMSには多くの機能が備わっています。これらの機能を活用することで、コーディングの知識がなくても直感的にコンテンツを編集でき、サイト運営に必要なさまざまな管理が可能です。
CMSの代表的な機能についてご説明します。

1. コンテンツ作成・編集機能

CMSの基本機能であるコンテンツ作成・編集機能は、ウェブサイトに必要なテキストや画像、動画などを簡単に追加・編集することができます。多くのCMSは直感的なインターフェースを採用しており、ドラッグ＆ドロップなどにより見たままのデザインで作業が進められる点が特徴です。ブログやニュースの更新、ページレイアウトの調整などもスムーズに行えるため、迅速なコンテンツ発信が可能です。

2. メディア管理機能

CMSには画像や動画といったメディアファイルを管理する機能が備わっています。これにより、各種メディアファイルを一元管理でき、適切な位置に簡単に挿入することができます。ファイルのタグ付けやフォルダ分けを行い、必要な画像を迅速に検索できる機能もあるため、大量のメディアファイルを扱う場合にも効率的な管理が可能です。

3. テンプレート管理機能

テンプレート管理機能は、サイト全体のデザインを一貫させるための仕組みで、ページごとのデザイン統一や効率的なレイアウト変更を実現します。テンプレートを使うと、デザインの変更が必要になった際も、全ページに影響を与えることなく、特定のテンプレートだけを更新することが可能です。また、複数のテンプレートを用意することで、特定のページだけ異なるデザインを適用することもできます。

4. SEO管理機能

SEO（検索エンジン最適化）機能は、CMSの重要な要素の一つで、サイトの検索エンジン上での評価を向上させ、アクセスを増やすための支援を行います。SEOに適したURLの生成、メタデータやキーワード設定、画像のaltタグ挿入といった基本的なSEO施策が、CMSを通して簡単に行えます。CMSによっては、ページの読み込み速度やモバイル対応のチェック機能も備えているものがあり、検索エンジンの評価基準に沿った最適化を行いやすくなっています。

5. ユーザー管理機能

ユーザー管理機能は、サイトに関わるユーザー（編集者、管理者など）を統制するための機能です。CMSでは、アクセス権限を設定し、特定のユーザーが閲覧や編集できる範囲を制限することが可能です。これにより、社内の多くの担当者がコンテンツ管理に携わる場合でも、セキュリティを保ちながら効率的な運用が可能になります。また、履歴管理機能によって、どのユーザーがどのコンテンツを変更したかを確認することもでき、トラブル発生時の対応にも役立ちます。

6.バージョン管理機能

バージョン管理機能は、コンテンツの編集履歴を保存し、過去のバージョンに戻すことができる仕組みです。この機能により、万が一の編集ミスや不具合が発生した場合でも、簡単に以前の状態へ戻すことができるため、安心してコンテンツの更新作業が行えます。CMSの多くは、一定期間ごとに自動でバージョンを保存するオートセーブ機能も搭載しており、事故やエラーを未然に防ぐサポートを提供しています。

7. アクセス解析・レポート機能

アクセス解析・レポート機能は、ウェブサイトの訪問者の行動やアクセス数を可視化し、運営の改善に役立てる機能です。CMSによっては、Google Analyticsと連携して詳細なデータを取得することができ、どのコンテンツが多く閲覧されているか、離脱率やコンバージョン率がどの程度かといった指標を確認できます。これにより、効果的なコンテンツ改善が可能となり、サイトの成長に貢献します。

8. マルチサイト管理機能

マルチサイト管理機能は、複数のサイトを一つのCMSで管理できる機能です。企業が複数のブランドやプロダクト用のウェブサイトを持つ場合などに有効で、それぞれのサイトを一元管理することで効率的な運用が可能です。CMSによっては、言語や地域別のコンテンツ展開にも対応しており、グローバル展開を目指す企業にとっては欠かせない機能です。

9. モバイル対応機能

モバイル対応機能は、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスでウェブサイトが適切に表示されるようサポートする機能です。レスポンシブデザインやモバイル用テンプレートの提供、モバイル専用のプレビュー機能などを備えるCMSも多く、ユーザーエクスペリエンスを向上させるための要素として重要視されています。現在では、モバイルフレンドリーなサイト運営はSEOにも影響するため、この機能はCMSにおいて必須となっています。

10. ワークフロー管理機能

ワークフロー管理機能は、コンテンツ作成から公開までのプロセスを管理する機能です。CMSでは、記事の執筆、レビュー、承認、公開といったフローを設定し、コンテンツの品質と一貫性を保ちながらスムーズな公開を実現します。複数の担当者が関わる場合には、承認権限を設定することで、責任分担が明確になり、効率的なコンテンツ制作が可能です。

11. プラグイン・拡張機能

プラグインや拡張機能のサポートは、CMSの柔軟性を高めるために欠かせない機能です。多くのCMSは、サードパーティによって開発されたプラグインやモジュールを導入することで、必要に応じた機能の追加が可能です。例えば、SNS連携やEC機能、カスタムフォーム、チャットボットなど、多種多様なプラグインが用意されており、サイト運営のニーズに合わせて拡張できます。

CMS比較のポイント

CMSの選定は、CMS導入のメリットを最大限に引き出し、効率的にコンテンツを管理するための重要なステップです。 CMSの選択肢は多岐に渡るため、CMSを選ぶ前に、まず自社のニーズを明確にすることが重要です。例えば、ブログやニュースの更新を頻繁に行いたいのか、eコマース機能を強化したいのか、あるいは大規模なマルチサイトを管理したいのかによって、最適なCMSは異なります。

ここではCMSを比較する上で重要なポイントをについてご説明します。

1．ユーザビリティと操作性

CMSの最大の利点は、非技術者でもコンテンツを簡単に管理できる点です。システムの使いやすさ、特にユーザビリティ（操作性）は、選定時に非常に重要です。特に、多くの人がコンテンツを更新する可能性がある場合、直感的で使いやすいインターフェースを備えたCMSが求められます。また、デザインやレイアウトを変更する際に、プラグインやテンプレートが豊富であることも、使い勝手に大きく影響します。

2．サイト規模

小規模なサイトならオープンソースCMSでも問題ありませんが、中規模程度（ページ数が数百程度まで）の場合には商用のクラウドCMSやパッケージCMSがおすすめです。ページ数が数百を超える場合や、扱う商品の数が膨大な場合には、データ量やサーバーの台数などを揃える必要があります。そのため、クラウドCMSでは容量やサーバーが制限される可能性があるため、ベンダーによるサポートも充実したパッケージCMSが向いています。

3．拡張性とカスタマイズ性

CMSには、標準機能だけでなく、さまざまなプラグインやモジュールを追加できる拡張性が求められます。たとえば、ECサイトの構築、ユーザー管理、アナリティクスなど、今後新たに追加したい機能に対応できるかどうかを確認しましょう。
また、企業固有の要件に合わせたカスタマイズが可能か、必要なサポートを受けられるかも重要な要素です。特に高度で複雑な機能を追加したい場合には、オープンソースCMSでは再現が難しい場合があるため、パッケージCMSをおすすめします。例えば、構築を予定しているサイトに既存のデータベースを紐づけるといった外部システムとの連携や、ユーザーによって表示を変化させるなどの機能は、システムの都合上、オープンソースCMSでは搭載が厳しくなります。
また、高度な機能が必要となる場合には、ベンダーにカスタマイズ可能かを相談しましょう。

4．コストとライセンス

CMSの導入コストは、選定の大きな決め手の一つです。オープンソースのCMSは無料で使用できますが、カスタマイズやサポートにコストがかかる場合があります。一方、商用のCMSは初期投資が高額になることがありますが、サポートや機能が充実しており、企業の要件に適したものが多いです。コスト面では、初期費用だけでなく、運用・メンテナンス費用、ライセンス料なども含めて総合的に評価する必要があります。

5．サポート体制

CMSを導入した後、問題が発生した際に迅速なサポートが受けられるかどうかも選定時の重要な要素です。特に商用のCMSには、技術サポートやトレーニング、システムのメンテナンスが提供される場合があります。サポート体制が充実しているCMSを選ぶことで、運用中のトラブルを迅速に解決できる可能性が高くなります。

6．セキュリティ

ウェブサイトにおけるセキュリティは、個人情報や企業の重要データを保護するために欠かせません。CMSには、ユーザー認証やデータ暗号化、アクセス制限、定期的なセキュリティアップデートなど、セキュリティ対策が施されている必要があります。特に、オンラインショップなどを運営している場合、セキュリティ対策は非常に重要です。CMS選定時には、セキュリティ機能がどのように提供されているのか、ベンダーがどの程度のサポートを行っているのかを確認しましょう。

7．SEOとパフォーマンス

SEO（検索エンジン最適化）は、サイトのアクセス数を増加させるために重要な要素です。CMSには、SEOに有利な機能（メタデータの自動生成、URL構造のカスタマイズ、ページ速度の最適化など）が組み込まれている必要があります。また、サイトのパフォーマンスも重要です。ページの読み込み速度やサーバーの応答時間などが遅いと、ユーザーの離脱を招き、SEOにも悪影響を及ぼします。選定時には、システムがどれだけ高速で効率的に動作するかを評価することが求められます。

8．モバイル対応とレスポンシブデザイン

モバイルユーザーの増加に伴い、ウェブサイトのモバイル対応は不可欠です。多くのCMSには、レスポンシブデザイン（モバイルフレンドリーなデザイン）が標準装備されていますが、システムによってはモバイル専用の最適化が不足している場合もあります。モバイル対応のしやすさ、デザインテンプレートの種類やカスタマイズ性なども選定時に確認する重要なポイントです。