SitecoreMVPが語る サイトコアとライゾンの強みとは【前編】
「Sitecore」をはじめとするCMSの役割とは?
―まず初めにLYZONで取り扱っているCMS。
CMS自体の説明と、CMSでどのような課題を解決するサービスを提供されているのか説明していただけますか。
新藤
CMSというのは、コンテントマネジメントシステムの略ですね。コンテンツを管理するためのシステムで、基本的にWEBサイトにおけるコンテンツ文章もそうだし、画像とかPDFとかそういったものも含めて、それを効率よく管理するためのシステムです。
CMSがない時代は、HTMLファイルとかをそのまま編集したりするような形でサイトの構築をしていて、例えばヘッダー・フッターとかの共通化っていうのを図れなかったりしたのですが、CMSを入れてそういった部品を共通化したり、コンテンツに関しても共通の文言とかって少なからずあるけど、そういったものを共通の部品として管理したりして、WEBサイトにおけるコンテンツを管理しやすくするためのものです。
あとはWEBサイトって世界に発信するものなので、編集したコンテンツが本当に公開していいものかどうかを承認するフローが必要だったりするんですけど、そのフローもCMSを使って編集者が承認者に承認してくださいと依頼を投げて、承認者がそれを承認したら初めて公開されるとか、そういった仕組みがあるのがCMSですね。
なので、お客さんのどういったところに貢献するかというと、まさにそういったところですね。
小規模サイトから大規模サイトまで、今は本当にWEBサイトを作るためにCMSは欠かせないものになっているかなと思いますね。
CMSの導入はどのような効果をもたらすのか?WEBの重要性の変化
―CMSはコンテンツマネジメントシステムの略ということなんですけども、実際、どういった企業の方がどういったコンテンツを発信する目的で使用されることが多いんでしょうか?
新藤
一番わかりやすいのは、やはり「お知らせ」や「組織変わりました」といった内容を公開する場合でしょうか。
会社の夏期休暇がこれだけありますといったお知らせや、あるいは上場企業になるとIR情報とかを毎年とか四半期とかで更新していくと思うんですけど、そういったものが分かりやすいかなと思います。
最近でいうと、それ以上にマーケティングとして情報を発信してブランディングをしていくみたいな。そういったコンテンツがあるかなと思います。
―企業から様々発信したコンテンツって、実際、どの程度その企業の業績にかかわったりするものなんですかね。
新藤
まず例えばアマゾンとかだと分かりやすく、何かを購入したいなって思った時にそのWEBサイトに行ったりすると思うんですけど、
その時に例えばすごい古い操作しづらいページとかだと、購入まで至らなかったりするケースというのはよくあると思います。
そういったところのブランディングも含めて、「この企業大丈夫そうだな」とか「操作しやすくて購入しやすい」と感じてもらえるサイトを作るのにはかなり貢献していくと思います。
最近だとコロナ後からよく「DX」って言われるように、WEBをはじめとしたデジタル化が重要になってきてるっていうところがあります。
コロナで営業さんが訪問営業とかできなかった時に、メールを送ってWEBサイトに訪問してもらって、
それで企業を知ってもらってみたいなところが本当に重要になってきてるかなと思います。
―確かに昔に比べると今はWEBサイトに触れる時間がほぼほぼ倍になったというか、
自分の場合ですと、スマホのスクリーンタイムとか見ると1日8時間ぐらいあったりもして、
結構みなさんそういった感じになってそうですもんね。
そういう中でユーザーの目も肥えてきてて、使いづらかったり、ちょっと怪しい表記とかあったりすると、「もういいかな」となってしまいますが、
むしろWEBサイトがきちんとしてさえいれば、お客様からの信頼も得やすくなりますよね。
新藤
そうですね。
―それはBtoCの場合に限らず、BtoBのビジネスシーンでも同様で企業様からもお問い合わせが増えたり
新藤
はい。
Sitecoreの優れた点とは?
―LYZONではCMSの中でもSitecoreをメインに取り扱っていますが、SitecoreというのはほかのCMSと比べてどういった違いがあるかと思いますか
新藤
そうですね。一番大きいのはやっぱマーケティング機能が充実してるってところかなと思いますね。
普通のCMSは、先程言ったコンテンツを管理するだけになっているんですけども、Sitecoreは、例えば「パーソナライズ」といわれる訪問してくる人によってコンテンツを出し分けたりする機能ですとか、ある程度の行動履歴をもとに、たとえば「こういう行動をした人、こういうお問い合わせした人」とか、カートに入れたけど購入しなかった人に対してマーケティングオートメーションという形で自動的にメールを送ったりとか、そういう機能が充実しているのがメリットかなと思います。
―よくECサイトとかで、アカウントを作ってお気に入りに登録したりすると、その商品がちょっと安くなりましたよみたいなメールが配信されたりしますが、そういったことができるのもSitecoreの強みの一つということですね。
新藤
そうですね。はい。
―Sitecoreはどれくらいの規模の企業の方が使っていらっしゃるんですか。
新藤
本当に大企業向けのCMSであるのは間違いないので、中小と言われるところよりは中堅以上の、売り上げ何百億とか何千億とかっていうぐらいの企業が対象にはなります。
―そういった規模の企業の方だと、お客様の数も膨大になってくるので、ひとりひとりにフォーカスしたマーケティングをするとなると、Sitecoreのような大規模向けのCMSが必要になってくるということですね。
新藤
そうです。
年々進化する、Sitecoreに関する知識の習得と、特徴的なアップデート
―ちなみにそのSitecoreなんですけども、新藤さんはSitecoreMVPという賞を7年連続受賞されているんですよね。
新藤
そうですね。
―ということはもうSitecoreについてはだいぶ詳しい。
新藤
だいぶ詳しいとは思いますよ。
Sitecoreは本当に年々発展しているので追いつくの大変ですけれど、それでも比較的、知っている方だと。
―発展している中でも、毎年受賞するってすごいですね。
新藤
そうですね。ありがたいことに。
―Sitecoreの技術やアップデートについて普段からどのように勉強されていますか?
新藤
そうですね。基本的にやはり案件がベースにはなっていて、案件で新しいことをやりたいという要望があった時に
どうやったらできるだろうというのを深掘りしていくと、新しいことに関しても知見が増えていくっていうところもあります。
あとはSitecoreがセミナーやったりもしているので、そういうものに参加して、できるだけそれをもとに提案できるように深掘りしたり、
どうやったらお客さんの役に立てるかなというのを考えることで、知見が広がっていくっていうような感じです。
―ちなみに、最近、こういう新しい機能が入った、
Sitecoreの中でアップデートだなみたいなことってなにかありますか。
新藤
そうですね。
昨年あたりから「コンポーザブルDXP」というテーマを打ち出してきていて、
コンポーザブルというのはいろんな機能をコンポ―ネント化して分割していくっていうような感じなんですけど、
その中でも「CDP」「パーソナライズ」といったマーケティング機能に特化したサービスであったりとか、
あとはコンテンツハブと言って、さきほども話に出した画像とかPDFなどのライセンス管理含めたアセット周りの管理に特化したものとか、EC機能に特化したサービスがあったりとか。
今まではSitecoreって一つの製品の中にそういったものが含まれたんですけど、
それらを外に切り出してサービス化されていっているというところが新しくなっているところですね。
―結構大きな仕組みというか、根幹のところからSitecoreというサービス自体も変えていっているんですね。
※ コンポーザブルDXPに関しては、こちらの動画もご覧ください。
先ほどのお話で、お客様からの要望にあわせて新しいことを覚える機会が多いということなんですけども、
最近はどのような要望を寄せられることが多いですか?
新藤
そうですね。まずさっきのコンテンツハブを使うようなライセンスとか著作権の管理をしっかりやっていきたいという話もあったりしますし、
あとは最近やはりマーケティング機能のことに関して要望が増えてきていますね。
パーソナライズやMAをより緻密にやっていきたいというお話は増えてきていて、
CMSでサイトを作るだけじゃなくて、マーケティング機能も含めた設計のご要望はかなり多く受けています。
―1つずつ詳しく聞いていきたいんですけど、
著作権管理までSitecoreでできるということですが、どのような方法でできるんですか。
新藤
僕も勉強中なんですけど、
コンテンツハブでDAMと言われるデータセットマネージメントで、
そこで著作権を管理することができます。
ちゃんと著作権が得られていないものに関しては
ラベルというか、本物の画像ではなくて、ダミー画像みたいなものじゃないと
公開できなかったりとか。
権利まわりに関してクリアになっていないものは
公開できない仕組みがあったりとかしますね。
―じゃあ、次にマーケティング機能のほうについてですが
パーソナライズを細かくやりたいというご要望が多くなっているということなのですが、最近になって以前よりも細かいご要望が増えたということなんですかね。
新藤
そうですね。
今までは結構単純に「このページ見た人はこのコンテンツを表示させましょう」というぐらいだったんですけど、
Sitecoreだとページ踏んだ時にいろんな軸のスコアが貯められるんですね。
―スコアとは?
新藤
例えば、そうですね、ゲームとかだとRPGとかシミュレーションのようなジャンルがあると思うんですけど、
そういった軸を作っておいて、そのカテゴリのページを踏んだら「この人はRPGに興味がある」というポイントが貯まっていく仕組みがあります。
そのポイントの形に応じてコンテンツを出し分けるとかバナーを出し分けるとか、
あとは、「退会をしたそうだな」っていうようなスコアが貯まっている人には退会抑止につながるコンテンツを出したりとか。
―ああなるほど、
新藤
そういう設計が結構多かったりしますね。
―サイトを回遊していった履歴をポイントスコアとして貯めて
「このスコアの人にはこういうコンテンツ」という感じで渡せるということなんですかね。
新藤
そうです。
これまでの取り組みと組織の変化
―なるほど
新藤さんはもともとずっとエンジニア系の勉強とかされてきたんですか?
新藤
まあそうですね。社員になってずっとエンジニアとして働いていますので、そういったエンジニアリングに関しては常にやっていますね。
―具体的な勉強方法って何かあったりしますか?
新藤
本読んだりとかは結構しますね。
最近だと役職的にまとめる立場になっちゃったんで、
マネジメント系の書籍とかが多くなりますけど。
最近はYoutubeとかにも本当にいろいろいい教材があったりするので
―Youtubeではどういった動画を見るんですか?
新藤
どちらかというとマネージメント系ですけど、
「部下の叱り方」とか、そういう。
―そういったところも、勉強されてるんですね。
LYZONに入社されて今何年ぐらいですか。
新藤
2012年の10月だったので、中途で入ったので13年ぐらいですかね。
―今は立場的には取締役。
新藤
はい、去年からです。
―ずっとそんな雰囲気はありましたか。
新藤
いえ。というか本当にここまで大きくなると思っていなかったです。
―LYZON自体が?
新藤
そうですね。今は100人以上いますが、入社した時は、10人とか15人とかそれぐらいの社員数だったんで、エンジニアも2、3人くらいでした。
僕以外はもういないですけど。
―10何人規模から現在の100人規模の組織になって、ここで一番変わったなみたいな時ってありましたか?
新藤
そうですね。
<後編へつづく>
※エントリーの内容・画像等は、公開時点での情報に基づきます。
※Sitecoreのバージョンによって実装されている機能が異なります。