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CMSのユーザビリティとアクセシビリティとは?違いや向上させるポイントまで解説!

近年、Webサイトの構築や運営において、ユーザビリティとアクセシビリティの重要性がますます高まっています。特に、CMS(コンテンツ管理システム)を利用する企業や個人にとって、ユーザー体験を向上させるための不可欠な要素です。

本記事では、CMSのユーザビリティとアクセシビリティについて詳しく解説し、それぞれの特徴や違い、そして評価基準や向上させるポイントを紹介します。これにより、Webサイトをより使いやすく、アクセスしやすいものにするためのヒントを得られることを目指します。

ユーザビリティとは?

ユーザビリティとは、Webサイトやアプリケーションがユーザーにとってどれだけ使いやすいかを示す指標です。ユーザーが目的を達成するために必要な時間や労力、操作の簡便さ、エラーの少なさなどが含まれます。例えば、AmazonのWebサイトは、直感的なナビゲーションと迅速な検索機能により、高いユーザビリティを実現しています。ユーザーは簡単に商品を見つけ、購入手続きをスムーズに進めることができます。

ユーザビリティの向上には、以下のような具体的な手法があります。

  • ナビゲーションの最適化
    メニューやリンクの配置を工夫し、ユーザーが迷わずに目的のページにたどり着けるようにする。
  • レスポンシブデザイン
    デバイスに応じてレイアウトを自動調整し、スマートフォンやタブレットでも快適に閲覧できるようにする。
  • フィードバックの提供
    操作に対する即時のフィードバックを提供し、ユーザーが次に何をすべきかを明確にする。

これらの手法を取り入れることで、ユーザーの満足度を高め、サイトの利用頻度や滞在時間を増やすことができます。

アクセシビリティとは?

アクセシビリティとは、障害を持つ人々を含むすべてのユーザーがWebサイトやアプリケーションにアクセスし、利用できるようにすることを指します。これは、視覚、聴覚、運動機能、認知機能など、さまざまな障害に対応するための設計や技術を含みます。例えば、Googleの検索エンジンは、スクリーンリーダーを使用する視覚障害者でも利用しやすいように設計されています。テキストの代替として音声や触覚フィードバックを提供することで、情報へのアクセスを可能にしています。

アクセシビリティの向上には、以下のような具体的な手法があります。

  • 代替テキストの提供
    画像や動画に対してテキストの説明を追加し、視覚障害者が内容を理解できるようにする。
  • キーボード操作のサポート
    マウスを使用できないユーザーのために、キーボードだけで操作できるようにする。
  • 色のコントラストの最適化
    色覚異常のユーザーでも情報を正確に認識できるように、十分なコントラストを確保する。

これらの手法を取り入れることで、すべてのユーザーが平等に情報にアクセスできる環境を提供することができます。

では、ユーザビリティとアクセシビリティの違いについて詳しく見ていきましょう。

ユーザビリティとアクセシビリティの違い

ユーザビリティとアクセシビリティは、どちらもWebサイトやアプリケーションの品質を向上させるための重要な要素です。

  • ユーザビリティ
    ユーザビリティは、主にユーザーの使いやすさに焦点を当てています。これは、操作の簡便さや効率性、エラーの少なさなど、ユーザーが目的を達成するためのプロセスをスムーズにすることを目指します。
  • アクセシビリティ
    アクセシビリティは、すべてのユーザーが平等にアクセスできることを重視します。これは、障害を持つ人々を含むすべてのユーザーが情報にアクセスし、利用できるようにすることを目指します。

このように、ユーザビリティはすべてのユーザーが直感的に操作できることを目指す一方、アクセシビリティは特定のニーズを持つユーザーが平等にアクセスできるようにすることを目指すという点に違いがあります。どちらか一方だけを重視するのではなく、両方をバランスよく取り入れることで、より多くのユーザーにとって使いやすく、アクセスしやすいWebサイトやアプリケーションを提供することができます。

CMSにおけるユーザビリティと
アクセシビリティの重要性

CMSにおいても、ユーザビリティとアクセシビリティは重要です。

ユーザビリティが高いCMSは、直感的な操作が可能であり、ユーザーが迷わずに目的の情報にたどり着けるよう設計されています。これにより、企業は迅速にコンテンツを更新し、最新情報を提供することができます。

次に、アクセシビリティについてです。CMSを活用することで、アクセシビリティ対応を効率的に行うことが可能です。画像の代替テキストの設定や、見出し構造の一貫性、コントラスト比の調整といった要件をテンプレートやプラグインで管理することができ、サイト全体で統一されたアクセシビリティを実現します。また、Webコンテンツのアクセシビリティを確保するためのガイドライン準拠にも役立つため、企業はより多くのユーザーにリーチし、社会的責任を果たすことができます。

ユーザビリティとアクセシビリティの両方を重視してCMSを活用することで、企業はユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させ、顧客満足度を高めることができます。

例えば、AmazonやGoogleなどの大手企業は、ユーザビリティとアクセシビリティに多大な投資を行い、ユーザーの利便性を最大限に高めています。これにより、ユーザーはストレスなくサービスを利用でき、企業の信頼性も向上します。

次に、CMSにおけるユーザビリティとアクセシビリティの評価基準について詳しく見ていきます。これにより、どのような基準でこれらの要素を評価し、改善するべきかを理解することができます。

CMSにおけるユーザビリティと
アクセシビリティの評価基準

ユーザビリティとアクセシビリティを評価するためには、具体的な基準が必要です。これらの基準を明確にすることで、CMSの改善点を特定し、ユーザー体験を向上させることができます。

まず、ユーザビリティの評価基準についてです。ユーザビリティは、以下の5つの要素で評価されます。

1. 学習容易性

初めてそのシステムやアプリを使う人が、どれだけ簡単に使い方を覚えられるかを指します。例えば、直感的に操作が分かるデザインや、初回使用時に簡単なガイドが表示されると、初めてのユーザーでも迷うことなく使えるようになります。これが高いと、ユーザーはストレスを感じず、短時間で操作を覚えられます。

2. 効率性

ユーザーが目的の操作や作業を完了するために、どれだけスムーズに進められるかを意味します。例えば、画面の切り替えや、複雑な手順を踏む必要がなく、最小限のステップで目的を達成できるシステムは効率性が高いといえます。効率的な設計は、ユーザーの時間や労力を節約します。

3. 記憶容易性

一度そのシステムを使った人が、時間が経って再び使うときに、どれだけ簡単に操作を思い出せるかを指します。分かりやすいアイコンやボタン配置、統一感のあるデザインは、ユーザーが「前に使ったときこうだったな」と自然に思い出せる助けになります。このポイントが高いと、リピーターの利用率も向上します。

4. エラー発生率

ユーザーが操作中にどれくらいミスをしてしまうか、またそのミスがどれほど深刻な影響を及ぼすかを表します。例えば、誤操作を防ぐための確認画面や、ミスを修正しやすい設計があると、エラーの影響を軽減できます。エラーが起きにくいシステムは、ユーザーにとってより使いやすいものになります。

5. 満足度

ユーザーがそのシステムやアプリを使った際に「使いやすい」「便利だ」と感じるかどうかを指します。満足度は、シンプルなデザイン、スムーズな動作、直感的な操作感などに影響されます。また、ユーザーの期待を超えるような便利な機能があると、満足度がさらに向上します。この要素は、長く使ってもらえるかどうかを左右します。

次に、アクセシビリティの評価基準についてです。主な評価基準は以下の通りです。

1. 知覚可能性

情報や画面の要素が、すべてのユーザーにしっかり見える・聞こえるようになっているかを指します。例えば、画像には代替テキストが設定されていて視覚障害のある方にも内容が伝わる、動画に字幕がついていて音が聞こえない環境でも理解できる、などの工夫がこれにあたります。

2. 操作可能性

サイトやアプリのボタンやメニューなどの操作部分が、誰でも使えるようになっているかを意味します。具体的には、キーボードや音声コマンドだけでも操作できるか、小さな画面でもボタンがタップしやすいように設計されているかがポイントです。

3. 理解可能性

サイトやアプリで提供される情報や操作方法が、誰にとっても分かりやすいかを指します。専門的な用語ばかりを使わず、簡単な言葉やイラストを用いる、ページが読みやすい構成になっている、といった配慮が重要です。また、ユーザーが誤った操作をしてもフォローできる設計があると、より良い体験につながります。

4. 堅牢性

サイトやコンテンツが、どんな環境でも正常に動作し、今後新しい技術や端末が出てきても対応できるか、という意味です。例えば、古いブラウザやスマートフォンでもレイアウトが崩れずに表示され、今後登場する最新の技術にも適応できるよう設計されていることが求められます。これにより、多くのユーザーが安心して使い続けられるサービスを提供できます。

これらの評価基準は、ユーザビリティとアクセシビリティを向上させるための具体的な指針となります。

次に、CMSのユーザビリティとアクセシビリティを向上させる具体的なポイントについて詳しく説明します。

CMSのユーザビリティとアクセシビリティを向上させるポイント

ユーザビリティとアクセシビリティを向上させるためには、具体的な対策が必要です。以下に、CMSのユーザビリティとアクセシビリティを向上させるためのポイントをいくつか紹介します。

まず、ユーザビリティを向上させるためのポイントとして、以下の点が挙げられます。

1. 直感的なナビゲーション

ユーザーが迷わずに目的の情報にたどり着けるよう、シンプルで直感的なナビゲーションを設計します。例えば、AmazonのWebサイトは、カテゴリごとに商品が整理されており、ユーザーが簡単に商品を見つけることができます。

2. 一貫性のあるデザイン

全ページで一貫性のあるデザインを採用し、ユーザーが操作方法を容易に理解できるようにします。例えば、Googleの各サービスは、一貫したデザインガイドラインに基づいて設計されており、ユーザーが異なるサービス間で迷うことがありません。

3. フィードバックの提供

ユーザーが操作を行った際に、適切なフィードバックを提供します。例えば、フォーム送信後に確認メッセージを表示することで、ユーザーは操作が成功したことを確認できます。

続いて、アクセシビリティを向上させるためのポイントとして、以下の点が挙げられます。

1. 代替テキストの提供

画像や動画には必ず代替テキストを提供し、視覚障害者がスクリーンリーダーを使用してコンテンツを理解できるようにします。

2. キーボード操作のサポート

すべての操作がキーボードで行えるように設計します。例えば、YouTubeは、キーボードショートカットを提供しており、ユーザーがキーボードだけで動画を操作できます。

3. コントラストの確保

テキストと背景のコントラストを十分に確保し、視覚障害者がコンテンツを読みやすくします。

これらのポイントを押さえて実践することで、CMSのユーザビリティとアクセシビリティを大幅に向上させることができます。

まとめ

本記事では、CMSにおけるユーザビリティとアクセシビリティの重要性について解説しました。ユーザビリティは直感的な操作性や効率性を追求し、ユーザーがストレスなく目的を達成できる環境を提供するための指標です。一方で、アクセシビリティは障害の有無を問わず、すべてのユーザーが平等にWebサイトやアプリケーションを利用できるようにすることを目的としています。これら2つの要素は相互に補完し合い、企業がより多くの人々にサービスを提供するための基盤となります。ナビゲーションやレスポンシブデザインの最適化、代替テキストやキーボード操作対応などの対策をすることでさらに効果を高めることが可能です。
ユーザビリティとアクセシビリティを意識したCMSの活用で、多様なユーザーに寄り添ったWeb運営を目指していきましょう。

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