概要・比較

自社に最適なCMSを選ぶ!種類・比較ポイントまで徹底解説

「CMSを導入したが、更新のたびに戸惑う」「想像以上に操作が難しく活用しきれない」こうした声は少なくありません。CMS(コンテンツマネジメントシステム)は、Web運用の中核を担う存在ですが、自社に合わないCMSを選ぶと、逆に業務効率が落ちてしまうこともあります。

本記事では、CMS選定にあたっての考え方や、CMSベンダーを比較検討する際の具体的な視点を紹介します。自社の目的や体制に合ったCMSを選び、効果的なWeb戦略を展開していくための参考にしていただければと思います。

CMS導入が求められる背景と企業にもたらす価値

情報発信のスピードと柔軟性を高める基盤

企業サイトでは、製品情報の更新、イベント告知、採用募集など、日々さまざまな情報発信が行われます。CMSを活用すれば、専門知識がない担当者でもコンテンツの作成・編集が可能になり、更新スピードを向上させ、属人化を回避することができます。
また、複数人での分担更新や予約公開機能なども活用することで、チームでの効率的なWeb運用が可能になります。

サイト改善を継続的に進める運用基盤

CMSは単なる“編集ツール”ではありません。SEO対策やA/Bテストの実施、コンテンツ分析など、改善のための仕組みを組み込むことができます。CMSの導入は、戦略的なWeb運営を可能にする基盤投資とも言えます。

CMS選定の前に確認すべき重要ポイント

CMSを活用するためには、各企業や組織にあった適切なCMSを選ぶことがとても重要になります。CMS選定の前に、確認すべきポイントご紹介します。

サイトの目的を具体化する

CMS選定を成功させる第一歩は、「何のためのサイトか」を明確にすることです。コーポレートサイト、ブランドサイト、採用、EC、会員制など、サイトの目的によって必要な機能は異なります。

社内の運用体制・スキルレベルを把握する

誰が更新作業を行うのか、どの程度のITリテラシーがあるのか。運用体制によって求められるUIやサポート内容も異なります。
また、外部制作会社に委託するか、内製化するかも含めて、自社にとって最適な運用モデルを想定したCMS選定が必要です。

CMSの基本的な種類と特徴

CMSを選ぶ前に、代表的な種類と特徴を理解しておきましょう。

オープンソースCMS

WordPressやDrupalなどに代表され、導入コストが比較的低いのが特徴です。
プラグインやテーマが豊富で拡張性に優れますが、セキュリティや運用体制を自社で整える必要があります。

商用CMS

ベンダーが提供するライセンス型のCMSで、サポートやセキュリティ面が強化されています。大規模サイトや複雑な業務プロセスを伴う企業に適していますが、初期費用やランニングコストは高めです

クラウド型CMS

SaaS形式で提供されるCMSは、サーバー管理が不要で導入スピードも速いのがメリットです。アップデートやセキュリティ対応もベンダーに任せられるため、運用負担を軽減できます。ただし、カスタマイズの自由度は制限されることがあります。

オンプレミス型CMS

自社サーバーに構築するタイプで、柔軟なカスタマイズや高いセキュリティ管理が可能です。金融業界や官公庁など厳しい要件が求められる組織で採用されやすい一方、導入・運用に専門知識が必要となります。

CMS選定の主な評価ポイント

自社のサイト規模

CMSを選ぶうえで最初に考えるべきなのは、自社のWebサイトの規模です。企業によって「数ページのコーポレートサイト」から「数千ページを超える多言語サイト」「複数のブランドやサービスを束ねるポータルサイト」まで、必要とする規模は大きく異なります。そのため、CMSに求められる要件も大きく変わってきます。

1.大規模向けCMS(例:Sitecoreなど)

  • 特徴:高度なパーソナライゼーションやマーケティング統合、外部システム連携、強固なセキュリティ管理が可能
  • 適するケース:1,000ページ以上のコンテンツがあり複数部署10名以上でサイトを運用している、日本だけでなくグローバル展開をしている(またはグローバルでサイト統合をしたい)、コストをかけてでもハイレベルなセキュリティ強度が必要、外部システムとCMSを連携するための拡張性が必要な場合など

2.中規模向けCMS(例:Drupalなど)

  • 特徴:オープンソースの柔軟性・拡張性を活かした構築が可能、多様なモジュールやプラグインによる機能追加が容易
  • 適するケース:WordPressなどからの移行を検討している、導入コストを抑えつつWebサイトのセキュリティや安定性を高めたい、外部システムとCMSを連携するための拡張性が必要な場合など

3.小規模向けCMS(例:HubSpotなど)

  • 特徴:導入・運用の手軽さとマーケティング機能との統合が特徴、直感的で初心者でも扱いやすいCMS
  • 適するケース:HTMLやCSSなど専門知識を持ったWeb担当が不在、マーケティング・営業・顧客サポートなどの部門と連携して業務を進めたい、予算に制約のあるスタートアップや中小企業の場合など

編集機能(編集のしやすさ・拡張性)

1.専門知識なしでも直感的な編集操作が可能か

CMSは技術に詳しくない人でも、管理画面でテキストや画像を簡単に追加・編集・公開できるインターフェースを提供することが望まれます。

2.将来的に機能追加に対応できるか

初期には必要なくとも、将来的にEC機能や会員専用サイト、MA(マーケティング・オートメーション)などを追加したい場合に、会員サイトやログイン機能、SaaSとの連携といった拡張ニーズに対応できるかどうかの検討や、パーソナライズの導入、MA・CDPとの連携など、マーケティングを高度化する取り組みに対応できるかどうかも検討すべき要素です。
これらの観点に当てはまる場合は、拡張性の高いCMSや、将来的な大規模化に対応可能なプラットフォームを選定することが推奨されます。

ベンダー(パートナー選定の視点)

1.中長期にわたる運用・保守サポート体制の有無

CMSの提供形態(クラウド型/オンプレミス型/パッケージ型)によって、導入難易度や保守体制、運用自由度が異なります。自社のシステム連携や社内IT体制と照らし合わせて選定しましょう。
また、CMSベンダーによってサポート内容や契約形態が大きく異なります。レスポンスの早さ、アップデート頻度、緊急時の対応力などを事前に確認し、単なる製品提供ではなく“長期的なパートナー”として評価する姿勢が重要です。

2.長期的な費用対効果

単に初期費用が安いという理由だけで選ぶのではなく、利用期間(例:3年vs10年)や機会リターン(売上向上)などを考慮し、長い目でリターンの見込める選択をすることが重要です。

3.ベンダーの提供力と設計力を総合的に評価

ベンダーが提供するパッケージやモジュールの充実度を確認することが重要です。これにより、構築スピードや品質の向上、コスト削減が期待できます。加えて、デザインやガイドラインに基づいてパーツ単位で構築し、運用負担を軽減できるかどうかという点も見極める必要があります。つまり、ベンダーの提供力だけでなく、設計力や運用視点を含めた総合的な対応力を見極めることが大切です。

まとめ

CMS選定は、単にツールを導入する作業ではなく、企業のWeb戦略を形にし、未来の成長を支えるための重要なステップです。自社のサイト規模や目的、運用体制をしっかりと見極め、必要な機能や拡張性を持つCMSを選ぶことで、更新作業の効率化やサイト改善の加速、さらには顧客体験の向上が実現できます。

また、信頼できるCMSベンダーをパートナーとして選ぶことは、安定した運用を継続するだけでなく、将来の拡張や新しい施策にも柔軟に対応できる基盤を築くことにつながります。

CMS選定に迷ったときは、「誰が、どのように、何のためにWebを運用するのか」を原点に立ち返り、目的志向で選ぶ姿勢を忘れないようにしましょう。

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