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齊藤

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開発者観点から見るSitecoreとDrupalの違いについて~その1

はじめに

当サイトはSItecore開発者ブログですが、参考情報として他のCMS(Drupal)との比較もお届けできればと思い、記事を書かせていただきます。 (タイトルにも「その1」とあるように、何回かに分けてお届けしていこうと思っています)

開発者から見る、SitecoreとDrupalの違いについて

「Sitecore Drupal 違い」等の検索ワードでWeb検索すると、CMS比較をしているサイトが見つかると思いますが 今回は開発者から見た「Sitecore(サイトコア)とDrupal(ドゥルーパル)の違い」についてまとめてみました。

  • Sitecoreはほぼ全てが揃っている。Drupalは開発が前提
  • サイトで利用するDBの取り扱いについて
  • 運用についての差
  • サポートサイクルの長さ

Sitecoreはほぼ全てが揃っている。Drupalは開発が前提

Sitecoreは豪華なパッケージ

Sitecoreはサイトの規模やユーザー数に応じてライセンス使用料を支払う必要があったり、高機能CMSのためサーバースペックも考慮する必要がありますが
機能に関しては申し分ないほど、様々なものが揃っています(アクセス解析やCMS運用面での利便性やユーザーインターフェースなどなど…)

基本的なサイト構築であれば追加プラグインが不必要なくらい、CMSとしての機能が充実しています。
※ 外部データ連携やシングルサインオン機能など、追加で機能を実装する場合は別途開発が必要です

Drupalは必要最低限でシンプル

DrupalはオープンソースCMSのため、ライセンス使用料等の「ランニングコスト」が基本的に掛かりません。
ただし、Webサイトにデフォルトでインストールされているのは必要最低限の機能のみです。
[Drupalインストールした直後の画像]

実現したい機能がない場合はモジュールのインストールを行い、サイトに機能を追加します。
機能を追加したい場合は、基本的にDrupal開発者が有志で提供している「モジュール」をインストールする必要があります。
(例: スケジュール公開をしたい場合はSchedulerモジュール、ワークフロー機能を実現したい場合はWorkflowsモジュールの導入が必要など…)

インストールしてそのまま動くモジュールもあれば、インストール後に追加で設定が必要なモジュールもありますが、基本的には何かしらの「設定」が必要になります。
公式で公開されている設定に関するドキュメントやトラブルシューティングは存在しないため、モジュール公開ページを参照したり、その他有志が発信しているWebサイトから情報収集をする必要があります。

モジュールはかなりの数が用意されていますが、実現したい機能がない場合は開発者がカスタマイズでモジュールを作ることも可能です。

サイトで利用するDBの取り扱いについて

SitecoreはDB単位で追加が可能

Sitecoreでは基本的にサイトコンテンツは「Master」データベースに保存され、「Web」データベースにパブリッシュすることでコンテンツ内容を公開します。
サイト閲覧者にはWebデータベースの内容(CDサイト…Content Delivery)を表示させ
サイト管理者にはMasterデータベースの内容(CMサイト…Content Management)を参照させる…という風に、データベースの住み分けがされています。

別途データベースの追加が可能で「本番公開前にプレビューが見れるサイトが欲しい」といった場合用のデータベースを追加することもできます。


Drupalで利用できるのは基本的に単一のDBのみ

DrupalはDBの指定がサイトディレクトリ/sites/default/settings.phpファイルにて行われています。

こちらのファイルに記述を追加して追加のデータベースを指定することが可能ですが、追加したデータベースへの書き込みや読み取りにはカスタムモジュールの開発が必須です。
(切り替えを可能とするモジュールは公開されていますが、やはりカスタマイズでモジュールを作成するのが前提となります)

SitecoreではDBを追加して多少のカスタマイズを行うことで、デスクトップからDBの切替が可能になりますが
DrupalにてSitecoreと同じように「サイト閲覧者用のDBとサイト管理者のDBを分けたい」という要件を実現するためには、Drupal本体の動作も変更する必要があるため、難易度は高くなります。

サポートサイクルの長さ

Sitecoreはサポート期間が約5年~約8年と長い

Sitecoreは現在執筆している中で最新の Sitecore10.4 バージョンで、継続サポート終了日が2023年12月31日と残りあと8年近くあります。 バージョンによる違いは多少あれど、平均してバージョンがリリースされてから約8年はサポートが行われている印象です。 参考URL: Sitecore Product Support Lifecycle

Drupalは約4年

Drupalのバージョン10は2022年12月に10.0がリリースされ、2026年12月にバージョン10.6を最後にサポート終了となります。
Drupal11に関しては2024年8月2日にリリースされ、2025年12月で11.5までバージョンが出ています。既にDrupal12もリリースされていることから、Drupal10と同様に約4年後の2028年頃にはサポートが終了されると思われます。
参考URL: Drupalのサポートサイクルについて

新機能の追加やセキュリティリスク低減の為、新しいバージョンが比較的早いスパンでリリースされますが、長期的なサポートとなるとSitecoreの方が長く安心して利用できる印象です。



「その2」の内容がまとまり次第、次回またお届けできればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。



※エントリーの内容・画像等は、公開時点での情報に基づきます。
※Sitecoreのバージョンによって実装されている機能が異なります。

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