CASE STUDY 大規模コーポレートサイトリニューアル

大規模コーポレートサイトリニューアル

導入企業様

抱える課題と解決策

抱える課題

ウェブサイトを運用していると、デザインの老朽化やブランディングの方向性の変化、ビジネスモデルの変化などに伴いデザインや機能の見直しが必要になります。サイトリニューアルにあたっては、ベンダーの選定、CMSの選定、デザイン作成、既存コンテンツの移行など検討しなければならないことが多く、大規模なサイトの場合は数千万円規模の費用がかかったりスケジュールも半年~1年以上など長期化しがちです。

トレンドや市場の変遷が以前にも増して早まるなか、時代に合わせたWEBサイトを作ることは重要度を増しており、よりスピーディかつ低コストなリニューアルを実現したいという需要が高まっています。

解決策

01
「デザイン」と「コンテンツ」を分離可能なCMSの導入で、サイトリニューアルコストを削減

企業サイトは一度作成したら終わりではなく、平均3~5年ごとの定期的なリニューアルが必要です。これには、ウェブのトレンドに合わせたデザインやUI/UXの見直し、ユーザビリティの向上、ブランディング強化などの狙いがあります。

一般的なサイトリニューアルの流れは、以下の手順で進められます。

  1. CMSの選定
  2. ベンダーの選定
  3. 新デザインの制作
  4. 既存コンテンツの移行
  5. 新規コンテンツの作成
  6. 新しいCMSの使い方を習得し、運用ルールを策定する

多くの企業では、これらのステップをリニューアルのたびに繰り返し、大きなコストと時間を費やしています。
しかし、LYZONはSitecoreの導入と高度なCMS開発を通じて、サイトのリニューアルをより低コストで、迅速に実施できる仕組みを提供しています。

リニューアル時のタスクの変化
デザインとコンテンツが互いに干渉しない構造でコストと期間の削減を実現する

一部のエンタープライズ向けCMSを除き、多くのCMSはデザインとコンテンツを完全に分離して管理することができません。デザイン変更にあわせて多くのソースコードを書き換える必要があり、 とくにページ数の多い大規模サイトでは既存コンテンツを新サイトに移行するだけでも膨大な時間がかかります。
しかし、デザインとコンテンツを完全に分けて管理できるCMSを使用すると、デザインデータのみを変更することで、サイトの見た目を完全に新しいデザインに一新できます。
コンテンツ内容はそのままで、新しいデザインに従って表示されます。
これにより、既存コンテンツの移行作業が不要となり、結果としてコストと時間の節約が可能になります。

Sitecoreのデータ管理イメージ
事例①:Sitecoreによるデザインとコンテンツの分離で、効率的なデザインリニューアルを実現

損害保険ジャパン株式会社様では、2014年のSitecore導入以降、毎年デザインリニューアルを実施しています。サイトは約7,500ページに及びますが、高度にCMS化されたコンテンツのおかげで、レイアウトテンプレートの変更だけで、サイト全体のデザインを一新できます。これにより、既存コンテンツの移行は不要になり、コンテンツの再配置などの手間も省けます。
さらに、全ページの一斉リニューアルだけでなく、特定のカテゴリやディレクトリのみのリニューアルも可能なため、小~中規模のリニューアルを実施し、一度にかかるコストや期間を削減しながら、サイトを継続的に改善しています。
加えて、コンテンツ内容のみの変更であればデザイナーやエンジニアが不要になり、運用体制を集約することで人的コストを約40%削減しました。

なぜコストと期間を抑えることができるのか?

一部のエンタープライズ向けCMSを除き、多くのパッケージ型CMSはデザインとコンテンツを完全に分離して管理することができません。デザイン変更にあわせて多量のソースコードを書き換える必要があり、とくにページ数の多い大規模サイトでは既存コンテンツを新サイトに移行するだけでも膨大な時間がかかります。
Sitecoreのような高機能CMSを利用しデザインとコンテンツを完全に分けて管理できる構造にしておくことができれば、デザインデータを変更するだけで、見た目だけを全く新しいデザインに刷新することができます。 既存コンテンツの移行も不要なため、その分のコストを抑えることもできます。

CMS化レベルを上げるメリット

CMSでコンテンツの管理ができるようにすることを「CMS化」といいます。CMS化の際に、デザインとコンテンツをどの程度分離し、どのレベルでデータを構造化するかによってLYZONではCMS化のレベルを1~6に分類しています。
CMS化レベルが高いほど、初期の開発コストは上がりますが、リニューアルや運用がしやすい構造であるといえます。

  • レベル1~2:ほぼ全てのコンテンツとデザインが混在している状態です。HTMLべた貼りの状態のため、コンテンツの修正にはHTMLの知識が必要です。リニューアル時はコンテンツの自動移行がほぼ不可能なため、多くの時間とコストがかります。
  • レベル3~4:共通で利用するヘッダーやフッター、数点の共通項目(例:商品名、商品画像、詳細、価格など)についてはカスタムフィールド化し分離しているが、大部分がコンテンツとデザインが混在した状態です。カスタムフィールド化された項目以外(リッチテキストエリア)を変更したい場合はHTMLがわかる担当者やデザイナーによる作業が必要です。また、リニューアル時もレベル1~2と同様に手動移行せざるを得ない箇所が多くなります。
  • レベル5~6:サイト内のおおよその箇所がコンテンツとデザインに分離して管理されている状態です。
    最上位のレベル6になるとさらに、コンテンツ内のパーツを自由に並べ替えたり再利用したりといったことがHTMLの操作なしで簡単にできるようになります。


    CMS化レベルを6まで上げるとマーケティング担当者だけでも容易に新規コンテンツの作成・更新ができ、毎週、毎月のような高頻度でキャンペーンページをリリースしたいといった場合もデザイナーやエンジニアに作業を依頼する必要がなくなり、情報をスピーディーに発信することができます。
    また、リニューアル時はデザインのみを更新すれば、既存コンテンツの内容はそのままに見た目だけを変えることができます。

ウェブの役割とコンテンツマーケティングの重要性が高まる中、企業が持つ既存コンテンツは貴重な資産です。しかし、移行のコストや時間の問題で、過去のコンテンツを捨てることも少なくありません。
CMSの変更に伴い、サイト内のユーザー行動や分析データが失われることもあります。また、操作方法や機能が変更になるため、新しいシステムに慣れるまでの学習コスト・時間が必要です。これにより、ウェブ戦略の立案が遅れてしまうこともあります。
長期的に同じCMSを使用し、コンテンツやデータを蓄積することは、One to Oneマーケティングのような今後必要となるウェブ戦略に役立ちます。
大規模CMSの開発は、ライセンス費や開発コストが高いですが、長期的には多くのメリットがあります。
デザインリニューアルのコスト削減、長期運用によるコンテンツやデータの保持、そして慣れ親しんだCMSを使った効率的なウェブ戦略の立案などがビジネスに大きな利益をもたらし、最終的には高いコストパフォーマンスを実現します。

02
追加開発がしやすいCMSで、新機能追加や連携を容易に

コンテンツ・デザインに加え、システムも分離して管理できることがSitecoreのもうひとつの強みです。システムやコンテンツもパーツ単位で細かく分かれているため、システムの差し込みがしやすい構造になっています。基幹システムとの連携はもちろん、他のシステムとつなぎこむためのAPIコネクターも充実しており、利用中の外部サービス(SFA,CRM等)との連携も容易です。

事例②:開発のしやすさにより実現したサンプル送付システム

電子部品大手のKOA株式会社様では、お客さまに部品サンプルを提供しています。弊社によるSitecore導入以前、サンプル請求にはお客様からの依頼を受けて、営業担当が一度工場からサンプルを取り寄せ、お客様へ発送するというプロセスを踏んでいました。

この工程を効率化するため、Sitecore導入によるサイトリニューアルと同時に、工場からお客様へ直接サンプルを送付する仕組みを開発しました。製品情報や工場内の在庫を管理する基幹システムとの連携開発を行い、商品データを即時に同期させることでユーザーに迅速にサンプルを届けることが可能になり、営業担当の負担と送付ミスを減らすことができました。
また、Webで気軽にサンプルを請求できるという利便性の向上によりお問い合わせ数が増え、見込み顧客の増加やARPUの向上につながりました。

なぜ開発がしやすいのか

Sitecoreは「疎結合」の思想で構築されており、システムの各構成要素の依存度が低く、独立性が高いです。これにより、追加開発時の範囲が限定され、難易度、工数、コストを削減できます。

多くのCMSではセキュリティ強化や機能追加のために新しいバージョンがリリースされるため、CMS自体のバージョンアップが必要です。依存度の高いCMSを使用している場合、バージョンアップの際に拡張箇所を一から再実装する必要があります。しかし、Sitecoreではアプリケーションのコア部分に手を加えることなく機能を拡張できるため、再実装箇所を最小限に抑えることができます。

APIによる外部連携は「xConnect」という連携ハブを通じて行え、他のCMSと比較しても高い拡張性があります。オープンソソースや中小規模向けのCMSでは難しい、「システムの分離」ができることも高機能なSitecoreの優れた点です。

03
ワンソースマルチユースで更新のしやすさと運用性を大幅に向上

ハイエンドなCMSを利用して高いCMS化レベルで作成したサイトは、デザインへの影響を気にせず、コンテンツ部分を変更するだけでサイト更新ができます。

例えば、ニュースや商品紹介など更新頻度の高い項目は、管理画面に専用フィールドを設けて、テキスト入力だけで簡単に更新できます。HTMLの知識は不要で、誰でもコンテンツ更新が可能です。
また、「見出し」、「テキスト」、「画像とキャプション」のパーツを自由に配置して、ページのレイアウトを変更できます。HTMLに詳しくない運用担当者だけでも新規コンテンツページ作成が可能になるため、エンジニアやデザイナーの作業待ちを解消し、スケジュールやコストを削減できます。もともと設定しているデザインのデータはそのまま引き継がれるため、新しいコンテンツを統一したデザインルールで素早く作成できます。

デザインとコンテンツが分離しているメリットとして、さらに「ワンソースマルチユース」が可能な点が挙げられます。ひとつのソースをさまざまな媒体やデバイスで流用できるため、たとえばECサイトで利用している商品データをデジタルカタログやオウンドメディアなどにデザインだけを変えて表示させることが可能です。これにより、媒体ごとの個別更新の必要がなくなり、手間やミスが減少します。
ハイエンドなCMSを導入し高いレベルでのCMS化を行うことで、誰でも容易にコンテンツの更新や作成ができ、さまざまな媒体やデバイスへの適応性が向上し、運用性が大幅に改善します。

事例③:30以上のサイトを、ひとつのCMSで管理可能に。

三井倉庫グループ様のコーポレートサイトおよびグループ会社30社のコーポレートサイトをひとつのシステムで編集可能にすることで運用コストを大幅に圧縮しました。
それぞれ異なるデザイン・構成でありながらもニュースや記等のコンテンツを連携させ、他のグループのサイトからでも必要に応じて同じコンテンツを再利用できる仕組みづくりを約4カ月の開発期間で実現しました。
また、各サイトごとに細かく権限設定をし、権限ごとのワークフローのメール通知アクションを実装することで多くの関係者が更新するサイトでも安全に運用できる体制を整えました。

Sitecoreのマルチサイト機能で実装期間を短縮

Sitecore SXAでは、上記ケースのようにメインのサイトとそれ以外の多くのサブサイトがある場合に
データソースやデザイン、レンダリング等をメインとサブで共有できる機能が利用可能です。
また、Sitecoreはユーザー単位で機能やコンテンツへのアクセス権を細かく調整でき、ワークフローもコンテンツごとに設定可能なため、誤ったデータを全サイトで公開してしまう等のミスも防くことができ、運用面でも安心です。

大規模サイトの構築実績を多数持つLYZONでは、お客様のサイトの目的や予算規模、実現したい項目などを考慮し、中長期的な市場の変化も見据えた最適な構築・運用方法をご提案します。
さらに詳しい事例を聞いてみたいという場合も、お気軽にお問い合わせください。

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