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カスタマージャーニー/ペルソナの落とし穴と真実

皆さんはカスタマージャーニーを設計する際に、顧客モデルとなるペルソナを設定していますか?
ひと昔まではマスマーケティングでのペルソナ設定となっていましたが、ここ数年スマートフォンをはじめとした多数のデバイスの登場でone to oneマーケティングへのニーズが高まってきています。
そこで今後のカスタマージャーニーやペルソナの真実と落とし穴について探っていきましょう。

カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスをどのように認知し、関心を持ち最終的に購買するまでの、カスタマーの「行動」、「思考」、「感情」などのプロセスを可視化し、改善していくことです。

このカスタマージャーニーを考える際に重要なのは、1回だけの購入プロセスだけではなく、何度も繰り返し購入するプロセスまで考えるということです。そして企業の都合で「お客様にはこういう道筋をたどってほしい」というストーリーを作るのではなく、各プロセスにおいて「購入したくなる気持ち」を生み出す仕掛けを少しずつ作っていくことがポイントです。

顧客行動を把握する際、「商品を買ってくれた」、「バナーを踏んでくれた」などの目に見えるリアクションだけで満足してはいられません。顧客はそのアクションの前後、背後にもさまざまな思考や感情、課題を持っています。どのタイミングで、どのような情報を顧客に提供するべきなのかなどを掴むためには、カスタマージャーニーの考え方が役に立ちます。

お客様との接点が多様化したデジタルマーケティングでは、企業からの一方的なブランディングコミュニケーションだけではうまく機能しないことが多くなっています。だからこそカスタマージャーニーを意識して、顧客との接点において自社ブランドを体験してもらうための仕掛けを作っていく必要があります。

カスタマージャーニーの落とし穴

マスマーケティングからone to oneマーケティングに変化している

マスマーケティング時代に作られた、ペルソナとカスタマージャーニーの役割について、one to oneマーケティングに変化したことでカスタマージャーニーとペルソナの使い方が変わってきています。
今までのマスメディア(TV、新聞、ラジオ、雑誌など)では、個人からのデータを吸い上げることができませんでしたが、インターネットが普及したことにより、双方向の通信が可能になり、企業がアクセス解析などから顧客のデータを吸い上げ、そのデータを元に企業が個人の属性や嗜好を推測することが可能になりました。つまり、個人の行動履歴をもとに、パーソナライズしたコンテンツを個々へ発信することができるようになったのです。

過去の媒体(テレビ、新聞等)では技術的に一方向の発信ツールしかなかったため、全顧客を同じように扱うことしかできませんでした。一方で消費者の成熟に伴い、消費者の嗜好は多様化していき、多くの消費者はマスメディアではなく、自分の嗜好にあったSNSやYouTubeなどインターネットの媒体をより強く支持するようになりました。インターネットは双方向の通信が可能になり、ひと昔前のマスマーケティングでは、上位2割の顧客が売り上げの8割を占めていました。そのため、上位2割の顧客を意識した単一的なメッセージがマス広告として発信されていました。

一方one to oneマーケティングでは、顧客それぞれにカスタマイズされた個別のメッセージを発信できるようになり、双方向のメッセージに変化したことで、より顧客満足度も高まるようになりました。

個別の顧客とはいえ、メインとなるペルソナは必ず必要です。なぜならば売り上げの5割はメインのペルソナが持っているからです。

カスタマージャーニーでも同じように、メインの構図は必要ですが、そこで終わりではなく常に顧客の行動をある程度想像することが重要です。

カスタマージャーニーは「ユーザーの行動や発言を、時系列に沿って並べて可視化する」ものであり、そこから何を読み取り、施策アイデアに落とし込むかが最も重要です。

現場とのディスカッションやユーザーヒアリングなどを行わず、マーケティング主体でペルソナを作成していると理想的な顧客像がずれて、そもそもペルソナ自体がずれているケースもあります。

項目にあてはまるものはありませんか?

  • 思い込み、先入観でなどの主観が入っている
  • いろんな情報を入れてしまい必要な情報が抜けている
  • 作りっぱなしにしてしまっている

カスタマージャーニー/ペルソナの真実

多様化するユーザーを相手にアプローチの組み合わせは無限大

一人ひとりの顧客ニーズや嗜好に合わせた情報提供や、個々にカスタマイズされた表示を行うことで既存顧客のロイヤリティーを引き上げる事がもっとも重要になってきています。
顧客が商品やサービスに関心を持ち、購入するまでの流れや調査、他の商品との比較するなどの行動や購入までの流れをone to oneに特化した最適化をすることで、より効果的な施策につながります。

上記図形のように顧客の持つニーズごとのグループ分けをし、グループ内の顧客の中でも優先順位をつけ、優先度の高い顧客との関係性を強化し、優先度の高い顧客に個別のマーケティング施策を考えることで、リピート率が高まる施策を生み出すことができます。

ただし、カスタマージャーニーだけ設定しても、人物モデルがないと想像で終わってしまい、より具体的な行動履歴を把握できません。また、ペルソナだけ設定されていてもユーザーの行動を把握できず、正しく取り入れられているとはいえません。
2つを1セットとして考えることで、より正しいユーザーの行動を把握して先回りすることができます。

ただし、多様化するユーザーを相手にアプローチする際の組み合わせが無限大になっているため、個々のデータを抽出しそれを分析したうえで正しい判断をすることが大切です。無限大にあるアプローチを全て書くのではなく、仮説で重要なポイントを漏らさずカスタマージャーニーの中に取り入れることが大切です。

また、カスタマージャーニーはあくまでも初手を作るための想像案でしかないということに注意してください。
重要なポイントを漏らさずカスタマージャーニーをデータドリブンで検証していくことが重要です。

失敗しない3つのポイント

01. 思い込みや先入観で反映しない

作成する上で注意したいのが、思い込みや先入観です。
元々持っているイメージや希望をつい反映してしまいがちですが、担当者のイメージを反映してしまっては、実際に購入する人物像とは大きなズレが生じてしまいます。
現在の様々な流入の中からどのような行動をして購入までたどり着くかどうかをより細かく分析することが必要になります。
one to oneマーケティングを意識した、顧客が納得感のあるカスタマージャーニーやペルソナを作成するためにはトレンドなどのデータを取り入れることも重要です。

02. 必要な情報だけに絞る

大量にある情報を1つにまとめるのはなかなか難しいものですが、場合によっては収まりきれない部分は切り捨て、必要な情報だけに絞る必要があります。

03. 作りっぱなしにしない

実際に存在する人物像をリアルにイメージし、そのユーザーがどのような行動をするのかを把握するためのものなので、参考にしているユーザーの環境、情報も常に変化します。
作成したらそのままではなく、ユーザーの動向に目を向け、日々トレンドのチェックをしながら定期的にブラッシュアップしていく必要があります。

ユーザーのニーズを的確に把握することが重要

ユーザーニーズが多様化している現代でマーケティングを成功に導くためには、ニーズを的確に把握できなければいけません。
代表的な顧客としてペルソナを設定したうえでカスタマージャーニーを活用することで、背後にいる多くの顧客が求めるものを提供することができます。

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